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だんだんと夏に近づくにつれて、私とイドンヒョクの仲も更に近づいた。
出会った頃より一緒にいることが増え、今では教室でも普通に話すようになった。
昼の図書室も今じゃほぼ毎日いるし、帰りも一緒に帰ることが増え、その度に家の前まで送ってくれた。
それがいつの間にか日常となっていた。
7月になって、秋にある文化祭の準備が始まった。
うちのクラスは飲食をやりたい人が多くて、優秀な文化祭実行委員が希望通り、飲食店の枠を勝ち取った。
「無事、飲食枠勝ち取ったけど何やる？」
文化祭実行委員から提示された次の難題。
メイドがいい！ とかメイドより執事！ とベターな意見が出る中、お化け屋敷やりたかった組の執念で、お化け喫茶になった。
「アユン、お化け喫茶なんてお化け屋敷やる組に怒られない？」
興味無さそうに爪をいじるアユンにこそっと話しかける。
「いいんじゃない？ やったもん勝ちだし」
「興味無さそ〜」
「アユンなんでもいいもん」
興味無さそうなアユンをよそに、クラスの雰囲気は利益上げるぞー！ って団結しててちょっと面白い。
みんななんの仮装する？ なんて盛り上がってる。
「ドンヒョガ！ お前ドラキュラやれ」
実行委員に名指しされ、周りから囃し立てられているイドンヒョク。
……イドンヒョクのドラキュラはカッコイイだろうな。
「俺？」
「そ、お前モテるだろ、ドラキュラやって客呼び込めよ」
「しょ〜がね〜な。お前ら、覚悟しとけよ」
満更でもなさそうなイドンヒョクを見て、なんかちょっと面白くないなって思っちゃった。
「イドンヒョクがドラキュラってマジで客来そうじゃん」
大丈夫そ？ と頬をつついてくるアユン。
「何が？」
「何がって、爆モテするよアイツ」
「……関係なくない？」
「マジで言ってんの？ ……まあ、いいけど」
「それよりアユンは何すんの？」
「何しようかなー。盛れれば何でもいいんだけど」
するとイドンヒョクが、
「Aちゃん、何やるか決めた？」
と訊いてきた。
「いや、何にも」
「そしたら俺とお揃いしようよ」
「いいじゃん。A、イドンヒョクとお揃いやんなよ」
「えっ」
「キムアユンも言ってるし決定。Aちゃんもドラキュラね」
勝手に話は進んじゃって、イドンヒョクはさっさと実行委員に「俺とAちゃんドラキュラやるから〜！」なんて報告しやがった。
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作者名：砂糖と塩 | 作成日時：2023年5月18日 8時
