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志摩side
駐車場に着いた時、やっと手が震えていることに気づいた。
志｢はぁ・・・っ｣
脳裏によぎるのは香坂の表情、そして…
｢おーい｣
志｢うわっ！？｣
急に耳元でした声に飛び上がって驚いた。
目の前に立って笑みを浮かべているのは眼鏡をかけた男。
｢大丈夫？汗かいてるし｣
志｢・・・大丈夫です｣
軽く会釈してその男の横を通り過ぎ、4機捜の車へ向かう。
伊吹ってやつ先に行ったんじゃなかったのか。
誰もいない車を見て舌打ち。
｢あっれ〜？もしかして、志摩ってあんた？｣
志｢・・・伊吹があんた？｣
大きく頷く伊吹と握手を交わすと変な握手をされ、伊吹は俺の持っていた鍵を奪うと運転席へ回った。
志「あ、鍵・・・」
伊「早く運転に慣れたいんで自分が」
ニコッと笑う伊吹に苦笑いで返すと、
『待ってっ！』
振り向かなくてもわかるAの声がした。
伊｢あ！Aちゃんでしょ！？｣
『はい。あなたは・・』
伊｢俺は伊吹藍。よろしくね、Aちゃん｣
俺の横をすり抜けてAへ手を差しだす伊吹。
『こちらこそ、本日からお世話になります。伊吹さん』
笑顔で伊吹の手を握るAを見ながら俺は車に寄りかかった。
待ってよ、本日からお世話になりますって…
志｢・・・お前まさか｣
『隊長が一未と伊吹さんと組めって言ってきて・・・』
そう困ったように言うAと、首を傾げる伊吹と、多分間抜けな顔をしている俺。
『でもね、一未。私はちゃんと』
志｢隊長の所行ってくる｣
伊｢何言ってんの志摩？｣
志｢俺は田辺さんと相棒になるのは無理だ｣
『一未・・・でも出動しろって』
志｢ならお前が抜けろ｣
ついキツイ言葉をAにかけてしまった罪悪感に苛まれ、この場から去りたいと、俺は助手席のドアを開けて乗り込んだ。
志｢伊吹、早くしろ｣
伊吹は腑に落ちない表情だったが、渋々運転席へ向かってくる。
チラッと横目でAを見ると、拳を握って俯いていた。
──これ以上あいつを苦しめるくらいなら傷つけて離れた方がいい。
伊吹はエンジンをかけ、もう一度俺を見た。
志｢・・・出してくれ｣
その時、後部座席のドアが開き、バタンっと閉じられる。
『・・・一未が嫌でもこれは仕事なの。
伊吹さん、車出して』
嫌なのはお前だろ、と言いたい気持ちを押し込める。
伊｢俺ら3人チームでしょ？しーまっ｣
志｢・・・わかったから離れろっ｣
満足気に離れた伊吹は車を発進させた。
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なべ(プロフ) - 瑠璃さん» ご指摘ありがとうございます！これからも誤字脱字ございましたらご指摘よろしくお願いしますmなるべく早く更新出来るように頑張ります！ (2020年8月15日 13時) (
レス) id: f19b1505d1 (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃 - 陣馬さんの字が神馬になってます。更新、これから楽しみです。 (2020年8月15日 13時) (レス) id: 9070337cc8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：なべ | 作成日時：2020年8月14日 19時
