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田中side

「・・・俺だって今不安だよ。
4回転サルコー成功率低いし、スピンレベル4取れないし。
でもやるしかないじゃん?」

俺はAから身体を離し、目線を合わせる。

「最高の演技しよう」

少し笑ってみると、

「うん!ありがと、なんか元気でた」

Aはいつもの明るさで笑った。

「じゃあそろそろ戻るね」

Aは立ち上がる。

「うん、おやすみ」

「おやすみ」

Aが部屋を出たことを確認すると、俺はベットに突っ伏した。

怖い。怖すぎる。
一瞬理性が飛んでAを抱きしめていたことが。

あの時、「好きだ」と言ってしまっていたら?

ベットの上で足をばたつかせる。

「重症かよ・・・俺」

とにかく今は自分に集中だ。
終わってからでも遅くない。

Aから離れるためにも何度も繰り返したSPのイメージトレーニングを始めた。

✳✳✳✳✳✳✳✳✳✳✳
田辺side

あっという間に時は過ぎ、ついに全日本選手権が開幕した。

私の滑走は最終グループの1番だ。

公式練習の時間が近づき、靴紐を締め直す。

あの日、刑事と話した時以来3回転アクセルは好調。

「A、落ち着いて行け。
・・・あーでも思いっきり」

「わかってますって。今はいける気がします」

林コーチはうなづき、行こうか、と荷物を持つ。

リンクサイドにはすでに最終グループの選手が集まっていた。

現段階の1位はわからない。

でも──今は自分に集中。

「それでは最終グループの公式練習です」

アナウンスがかかり、リンクに入る。

1番滑走ということは、あまり直前までジャンプの練習ができない。

スピードを出して3回転アクセルの助走へ。

いけ!

──成功した。

会場が歓声に包まれる。

その後も3回転を連続で決め、残り2分を残し、ジャンプをやめた。

スーっと滑りながら氷の感触を確かめる。

ふと観客席を見ると、はるか上の方に刑事の姿。

──がんばれ。

そんな声が聞こえたような気がして、見えているかはわからないけど、強くうなづいた。

「公式練習を終わります。選手のみなさんは練習を終了してください」

いよいよだ。

オリンピックへ向けた戦いが、始まる。

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なべ(プロフ) - 架音さん» 返信遅くなりました、すみません。いつもありがとうございます!!昌磨くんオチですね参考に致します。そろそろ完結させようと思っておりますので最後までよろしくお願いします!! (2019年12月18日 18時) (レス) id: f19b1505d1 (このIDを非表示/違反報告)
架音 - こんばんは!楽しく読ませていただいております!ぜひ、昌磨くんオチお願いします! (2019年12月17日 21時) (レス) id: e40e7f28e3 (このIDを非表示/違反報告)
なべ(プロフ) - ありがとうございます!!田中刑事さん好きなんですね、参考に致します。これからもよろしくお願いします!! (2019年4月16日 21時) (レス) id: f19b1505d1 (このIDを非表示/違反報告)
???(プロフ) - 田中刑事さんがいいです!!! (2019年4月16日 20時) (レス) id: 145a60b08f (このIDを非表示/違反報告)
なべ(プロフ) - 櫻宮みゆさん、読み返すだなんてホントに光栄です!確かに田中刑事さんオチは少ないですよね。参考に致します。これからもよろしくお願いします! (2019年4月15日 19時) (レス) id: f19b1505d1 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:なべ | 作成日時:2019年3月25日 18時

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