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田中side

「Aっ!!」

医務室に着くなり声を上げると、そこにはベッドに腰掛けているAと林コーチ、救護、スタッフなどたくさんの人達。

・・・ん?

「・・・刑事?何でここに・・・」

「A、起き上がっていいのかよ!
大丈夫!?なんでこんな・・・」

俺が近寄って早口で捲し立てるとあの時と同じように、Aは困ったように笑った。

昔、Aと俺が出会って1年が経った頃。
Aがジャンプ練習中に足を捻った。
その時も俺は歩こうとするAに今みたいに「大丈夫!?」って言ったんだっけ。
たまに過保護(?)な俺に困ったようようにAは笑ったんだ。

「大丈夫だよ、そんな顔しないで」

「だってAが倒れたって・・・」

安堵してその場に座り込んだ俺の肩に林コーチが手を掛けた。

「血管迷走神経性失神、だそうだ」

「失神・・・?」

聞いたことある名前だけど、失神って。

「幸い身体には何の異常もないらしい。
倒れた時に少し頭を打ったようだが」

林コーチの言葉をつぐように、救護スタッフが話し始める。

「血管迷走神経性失神は、疲れや不眠からくる病気です。とりあえず休めば大丈夫でしょう」

その場の張り詰めていた空気が少し和らぎ、林コーチも深く息を吐いた。

「・・・出ます」

「え?・・・」

思わず声が出て、Aの方を見る。

「私、出られます」

「何言ってんだ、失神だからって病気は病気だぞ?」

林コーチが焦ったように言う。

出るって…何でそこまで

「この大会は優勝しなきゃ意味ないんです!
何としても、4回転を跳んで・・・」

「Aっ!!いい加減にしろよ!」

あっ、と思った時にはもう遅くて、俺はAの頬を叩いていた。









驚いた顔と、潤んだ目。











──最低だ──

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なべ(プロフ) - 架音さん» 返信遅くなりました、すみません。いつもありがとうございます!!昌磨くんオチですね参考に致します。そろそろ完結させようと思っておりますので最後までよろしくお願いします!! (2019年12月18日 18時) (レス) id: f19b1505d1 (このIDを非表示/違反報告)
架音 - こんばんは!楽しく読ませていただいております!ぜひ、昌磨くんオチお願いします! (2019年12月17日 21時) (レス) id: e40e7f28e3 (このIDを非表示/違反報告)
なべ(プロフ) - ありがとうございます!!田中刑事さん好きなんですね、参考に致します。これからもよろしくお願いします!! (2019年4月16日 21時) (レス) id: f19b1505d1 (このIDを非表示/違反報告)
???(プロフ) - 田中刑事さんがいいです!!! (2019年4月16日 20時) (レス) id: 145a60b08f (このIDを非表示/違反報告)
なべ(プロフ) - 櫻宮みゆさん、読み返すだなんてホントに光栄です!確かに田中刑事さんオチは少ないですよね。参考に致します。これからもよろしくお願いします! (2019年4月15日 19時) (レス) id: f19b1505d1 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:なべ | 作成日時:2019年3月25日 18時

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