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田辺side
──好きだよ
そんなわけない。
ずっと仲が良くてずっと一緒にいたいと思った3人からの告白。
気づかなかった、少しも。
いつも一緒にいた刑事のことにさえ。
ゆづの肩を必死に押し返しながら考える。
すると、少しも動かなかったゆづの肩がゆっくりと離れて距離をとった。
お互いの荒い息遣いが静かな部屋に響く。
相変わらず近くにゆづの顔があって、じっと見つめ返していたがなんだか呑み込まれてしまいそうで、顔を横に向けた。
「目そらさないで、A」
「・・・無理」
黙ってしまったと思っていると、突然伸びてきた手が私の顎を掴んだ。
「こっち見てよ」
無理やり顔の向きを変えられ、再び視界がゆづでいっぱいになる。
ゆづの顔はいつものヘラヘラとした感じじゃなくて、真剣な、試合のときみたいな表情。
「・・・Aはどうしたいの?」
私は──
「はぁ、しょうがないな」
黙ってしまった私を見て、ゆづは私の上から降りた。
「泣かないでよ、泣かせるためにこんなことしてるわけじゃないのに」
いつの間にか涙が零れ、頬を伝っていた。
ゆづは私の腕をとって優しく引き起こし、涙を細い指先で拭った。
「昌磨も刑事も、もちろん俺もAがどうするのか、決めるまで待ってるから」
小さい子をあやす様にゆづは視線を合わせて言う。
「ゆっくり考えて
・・・俺らがAを思ってた時期はそんな短いもんじゃないし」
小さい頃から一緒にいたゆづも
毎日一緒にいる刑事も
大会でも外でもお互いの話をしてた昌磨も
誰の気持ちにも気づけなかったんだ。
お互い恋愛系の話は避けてたし、私は聞きたいと思ってなかったのかもしれない。
3人の気持ちを知った今、もう逃げないで向き合わなければ。
私は真っ直ぐゆづを見つめ返す。
「・・・ちゃんと考える。みんなのこと」
きっと私は誰が好きとか考えることから逃げていたから。
「俺のことだけ考えるようにさせてあげるよ」
ニヤッと笑ったゆづ。
「よし、飯食おう。
明日から楽しみにしてて」
そう言ったゆづはさっさとリビングに戻って行った。
どういう意味なのか
私はゆづの言葉の意味を身をもって知ることになる。
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なべ(プロフ) - 架音さん» 返信遅くなりました、すみません。いつもありがとうございます!!昌磨くんオチですね参考に致します。そろそろ完結させようと思っておりますので最後までよろしくお願いします!! (2019年12月18日 18時) (レス) id: f19b1505d1 (このIDを非表示/違反報告)
架音 - こんばんは!楽しく読ませていただいております!ぜひ、昌磨くんオチお願いします! (2019年12月17日 21時) (レス) id: e40e7f28e3 (このIDを非表示/違反報告)
なべ(プロフ) - ありがとうございます!!田中刑事さん好きなんですね、参考に致します。これからもよろしくお願いします!! (2019年4月16日 21時) (レス) id: f19b1505d1 (このIDを非表示/違反報告)
???(プロフ) - 田中刑事さんがいいです!!! (2019年4月16日 20時) (レス) id: 145a60b08f (このIDを非表示/違反報告)
なべ(プロフ) - 櫻宮みゆさん、読み返すだなんてホントに光栄です!確かに田中刑事さんオチは少ないですよね。参考に致します。これからもよろしくお願いします! (2019年4月15日 19時) (レス) id: f19b1505d1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:なべ | 作成日時:2019年3月25日 18時