開門° ページ1
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三時間目の古典を特別早退し警戒区域北部の防衛任務にあたっていたAは、大量のトリオン兵の屍骸の上で 青天を蝕むように這い渡る不吉な闇を怪訝の目で仰いでいた。
──来た。
その場から飛び降りたAは 基地周りに目を凝らす。巨大な門の大穴の数々が大きく口を開き、空を引き裂きだす。雷鳴と地鳴りを伴い空中のあちこちに発生するその黒穴からは無尽蔵のトリオン兵が怒涛のごとく出兵していった。地面や建物を這い、あるいは上空を旋回して市内は侵攻されてゆく。人間一人が足を踏み込ませる空白もないほどに。
警戒区域外の方から悲鳴が聞こえてくる。侵攻の様子を知ったAは唇を硬く閉じて明眸を翳らせた。四年半前の何倍の規模になるのだろう。静かな感想と緊張がAの胸の中で渦を巻き起こしていた。先例もなければ経験したこともない異常な数の門に背筋が強ばる。しかし Aの両手にはブレードが既に握られていた。
深々と吐かれた息。
もう、あのときとは違う。瞳の奥の闘志の灯は消えるどころか轟々と燃え上がっていた。
【現場部隊に伝達。トリオン兵の現在侵攻方向は西 北西 東 南 南西の五方向。西と北西以外の三方向を各隊三手に別れて迎撃せよ】
イヤホンを装着したAの右耳が本部作戦室からの指令を受ける。が、各隊三手という言葉に出しかけた右足をぴたりと止めた。
上層部から十分な信頼をおかれた実力から木崎や小南らと同様 一人で一部隊と見なされているAだが、今回の命令文は 木崎隊の四人で行動をしろという意味をなす。
それを読み取ったAだが、木崎と烏丸は非番の小南を迎えるために学校に向かっているのでAがすぐさま彼らと合流するのは無理だ。小南の通う高校は警戒区域から遠く離れた西にある。
追いかける選択も取れるには取れるが、そうするよりは近辺のトリオン兵たちを捌くほうが得策だろう。Aは木崎に遠隔通信を試みることにした。
「レイジさん。私 今いる北部のトリオン兵叩きます。こなちゃん拾ってからそれなりのタイミングで連絡ちょうだい」
「分かった、俺たちもなるべく急ぐ」
今いる敵は確実に減らす。黄金にも白にも光る大振りなブレードを準備運動がてらくるりくるりと手のもとで回したあと、他方に散らばるトリオン兵を殲滅するべくAは足裏を強く蹴った。
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巡(プロフ) - ママリりすすさん» 返信が遅れてしまってごめんなさい(；；)激励のお言葉本当にありがたいです…！おかげで試験のほうもなんとかなりそうです(*´`) しばらくは作品の更新だけに集中ができるので 引き続き頑張りたいと思います！ 本当にありがとうございます！ (2021年6月8日 18時) (
レス) id: 8209256f86 (このIDを非表示/違反報告)
ママリりすす(プロフ) - 期末試験頑張ってください！単位もぎ取って帰ってきてください！！待ってます！ (2021年5月29日 18時) (レス) id: c128eaef1a (このIDを非表示/違反報告)
巡(プロフ) - Noahさん» ありがとうございます(*´`) 7日あたりからこれは間に合わないと気づいてほぼ不眠で書き上げたので理解不能な箇所もあったかもしれませんが…(^^;) いつまでも迅悠一に幸あれという気持ちを忘れずに精進していきます！ 本当にありがとうございます！ (2021年4月9日 23時) (レス) id: 8209256f86 (このIDを非表示/違反報告)
巡(プロフ) - ななちさん» ありがとうございます(*´`) 最新話まで…ッ！ 細部まで褒めてくださり書き手冥利に尽きまくります！特に専用トリガーは一番考え込んで設定したものなので尚更…(感涙) 遅筆なりになんとか頑張っていきたいと思います、本当にありがとうございます！ (2021年4月9日 23時) (レス) id: 8209256f86 (このIDを非表示/違反報告)
Noah(プロフ) - 続編おめでとうございます。迅さんの誕生日に持ってくるあたりに愛が溢れていて好きです。応援してます〜 (2021年4月9日 17時) (レス) id: 3eb26abe40 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：巡 | 作成日時：2021年4月9日 0時
