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「…どうか、力を貸しては頂けませんか?」


僕の目の前にはいつものように人間がいた


いつも、とは少し違ったかもしれない


その人間以外には人っ子ひとりいない


『……誰でしょうか』


「私は時の政府の者です」


時の政府…?


もう一度見ると、目の前にはきっちりと整えられたスーツを着た男が立っている


『時の政府の方、ですか?…力を貸せと言われましたが、どういうことでしょうか?』


「只今、歴史を変えようとする輩がいるのです。その者達を貴方様には、他の刀剣と共に倒して頂きたいのです」


『歴史を変えようとする輩、とは何でしょうか?』


「簡単に説明しますと、化け物です」


化け物がこの世の中にいるのか?


この平和に近い世の中になった今?


『それよりも、訊きたいことがあります。…何故貴方は僕が見えるのですか?』


「霊力など付喪神が見える特殊な力を持つ人がいます。私は霊力がありますので、貴方様が見えます」


ふーん


なるほど


ならあの人の子は霊力か何か力を持ってたんだな



その後、時の政府の者からこれから僕がすることについて、詳しく教えられた


審神者という存在についても教えられた


『僕はここに居られないのでしょうか?』


「力を少し貸して頂くだけです。貴方自身はここに居ます。分霊として、いろいろな本丸へ行くのです」


なんだ。そういうことか



『いいでしょう。力を貸しますね。是非とも分霊の僕を使ってやって下さい』


「!!ありがとうございます!」


深く頭を下げていた



分霊がどんな人間の元へ行くかは分からないが、僕が少しでも役に立つならそれでいい





……歴史を変えようなんてする奴がいるのだな

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作者名:ひぃ | 作成日時:2018年9月15日 20時

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