【side story episode1-1】 ページ27
＊
｢ぁぁぁああああああ!!｣
やぁ、お兄さんだよ。
えっ、俺が今何してるかって?(聞いてない)
優雅に空のお散歩中だよ!
……うん。笑い事じゃないのはお兄さんが1番分かってる。
下から上へ吹く強風と浮遊感。紐なしダイビングを絶賛体験中だ。落下すればするほど大きくなっていく恐怖心に為す術もない。
そもそもなんでこうなったのか、話してると長編が出来てしまう。簡単に纏めると大体眉毛のせい。
ちょっと無視しただけなのにムキになっちゃってさ。ただでさえ、こっちは徹夜明けで眠いってのに……
今はその眠気さえ吹き飛ぶぐらいだけどね!!
__無視すんなよばかぁ!!
__ちょっ、待っ、
要はアイツが振りかざしたステッキと共に魔法陣が出てきてそれに吸い込まれた。それで気が付いたら空の上っていうね。うん、俺も意味わかんない。
｢ぉぁぁああああ!!!｣
流れる景色、迫る地面。刻々と迫ってくるその瞬間に頭が真っ白になる。奇跡の生還とか無理に等しい。百歩譲ったとしてもEND-ENDの未来しか予想できない。
何処ぞの北の国は良くて骨折で済んだけど、紐なしバンジー状態では話が別だ。最悪、ホントに死ぬかもしれない。
_____
｢……うっ…!!｣
ドザァッという衝撃に見合う痛みが俺を襲う。荒々しく木々が擦れる音がするからどうにか俺は生きているらしい。
運良く木に引っかかったんだろう。多少のダメージは食らったものの、地面に落ちるよりはマシだった。
しかし、何かを掴もうと咄嗟に伸ばした手は、どういうわけか空を切った。
｢(冷たっ…!?)｣
水飛沫があがる。どうやら、木から落ちた反動で湖か何かに落ちたらしい。何から何までツイてなさすぎでしょ、と独り言ちる。
｢(やばい…っ…息がっ……)｣
水を吸った衣服は重く、もがけばもがくほど底なし沼の如くどんどんと沈んでいく。先程落ちた衝撃もあってかまともに息も吸えていない。思わず空気を求めて口を開くが、虚しくも自身を包むのは水と泡だけだ。
せめてもの抵抗として、手を伸ばす。
全身の力が一気に抜けていく中、残りの息を吐ききり次第に視界が暗くなっていく。
――その瞬間だった。
伸ばしていた手に確かな感覚を覚えた。そしてそれは、しっかりと引き寄せるかのように水面へと近づいていく。
やがて、一気に視界があけた。
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うゅ - いつまでも更新待ってます！ (2019年7月6日 2時) (
レス) id: cb2d6bad92 (このIDを非表示/違反報告)
ユキ(プロフ) - もふまる。さん» ありがとうございます！好きなものの組み合わせは最高ですよね！ (2019年6月13日 1時) (レス) id: b62f39a03d (このIDを非表示/違反報告)
もふまる。(プロフ) - わぁお。好きなもの×好きなものは最高だな。続き待ってます！ (2019年6月13日 1時) (レス) id: 3071cca8f8 (このIDを非表示/違反報告)
ユキ(プロフ) - うゅさん» ありがとうございます…!!ようやく初コメが!!((好みだと思って下さって本当に嬉しいです！更新頑張ります！ (2019年3月24日 14時) (レス) id: b62f39a03d (このIDを非表示/違反報告)
うゅ - 初コメ失礼します! こういうのめちゃくちゃ好みです! 更新がんばってください！ (2019年3月24日 13時) (レス) id: 147b122877 (このIDを非表示/違反報告)
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