農業好きに悪い奴はいない ページ20
＊
第一印象は、場にそぐわない人だと思った。
真っ白な白を基調とした軍服は、日のいずる国を彷彿させる。白は、彼らの国を象徴する国旗の中に入っていた色。何物にも染まらないそれは、赤をより一層際立たせる。
そんなまっさらな軍服を身に纏っているにも関わらず。目の前の男は夢中で鍬を振り下ろし、荒れた土を耕すべく土壌改良に勤しんでいる。それはもう楽しそうに。
ちなみにこの畑は拠点から比較的離れていない場所なら広げることは可能だ。
ただし、畑から取れた資源は仲間達で共有するなど、｢共有地の悲劇｣にならないように様々な対策も組まれている。
実際、私は人里離れた村人から種を譲ってもらった。無事芽を出し根を伸ばしたそれは、夏場の冷やし野菜として一役かっている。
そして今日はその収穫に来たのだ。そこで彼を見つけた。
腕をまくり上げた彼は自身が泥にまみれるのも構わず黙々と作業を繰り返す。既に白い軍服は所々汚れ、足元に至っては土がこびりついている。
――農業が好きなんだろうか。
勝手ながら、そのような考えを抱いてしまった。確かな確信はない。でも、あの目と農業に対する姿勢は多分本物だと言っていいだろう。
なぜそう言いきれるって?
決まっているじゃないか。
｢今日も見事に染まりおって。真っ赤じゃないか……。｣
トマトのことだよ?
同じ農業好きが言ってるんだから間違いない。
誤解を与えないためにも言っておこう。
私は疲れていた。某お船ゲーム(女版)のとある刀剣による意味深に聞こえなくもない言葉を収穫した野菜へ呟くぐらいには。
ここ数日は徹夜続きで、漸く仕事が一区切りついたのはつい先程。危険度Lvで表すならｻｲｺ-にﾊｲｯってﾔﾂだ!には達していた。
疲れていた(２回目)
休もうにも気持ち悪いだけで寝付けず、何かさっぱりするものが食べたいということで外に出た次第である。
で、連日引き続きの猛暑ときた。さてここで問題。体調不良＆寝不足である私が照りつける太陽の中、作業をするとどうなるか。
｢(……、やば……)｣
立ち上がりかけた所で、チカッと視界が白くなったかと思えば、真っ暗になった。いつの間にか足に力が入らなくなって。そのまま身体が前のめりに倒れていく。
徐々に狭くなっていく視界の端で、白がちらついた気がした。
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うゅ - いつまでも更新待ってます！ (2019年7月6日 2時) (
レス) id: cb2d6bad92 (このIDを非表示/違反報告)
ユキ(プロフ) - もふまる。さん» ありがとうございます！好きなものの組み合わせは最高ですよね！ (2019年6月13日 1時) (レス) id: b62f39a03d (このIDを非表示/違反報告)
もふまる。(プロフ) - わぁお。好きなもの×好きなものは最高だな。続き待ってます！ (2019年6月13日 1時) (レス) id: 3071cca8f8 (このIDを非表示/違反報告)
ユキ(プロフ) - うゅさん» ありがとうございます…!!ようやく初コメが!!((好みだと思って下さって本当に嬉しいです！更新頑張ります！ (2019年3月24日 14時) (レス) id: b62f39a03d (このIDを非表示/違反報告)
うゅ - 初コメ失礼します! こういうのめちゃくちゃ好みです! 更新がんばってください！ (2019年3月24日 13時) (レス) id: 147b122877 (このIDを非表示/違反報告)
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