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その男、 ページ8





ひしひしと伝わってくる視線に居心地の悪さを感じる。コレはアレだ、偶然を装って話し掛けるタイミングを狙っている。



CASE1:振り向く
間違いなく話し掛けて来るだろう。「あっ...すみません...何か思い詰めているように見えたので....」みたいな好青年を向こうは演じるに違いない。(偏見)

CASE2:気付かない
どう考えても話し掛けて来るだろう。「何か悩み事ですか?」みたいな俺は分かってるぜ(キラッ)感出して話を広げて来ようとするに違いない。

結論:どう足掻いても無駄。
つまり、ここで行動を起こそうが起こすまいが相手の思惑通りになるということだ。



そうなるのは少々癪だ。
どうにかして一泡吹かせる方法は無いものか。


.......あ。



あったわ。内容的に多少のリスクは伴うけど。
念の為遺書を書いておいて良かった。
よし。私も腐っても一国の令嬢だ。
腹を決めるか。


ついていた手に力を込めれば簡単にその身体は浮き上がった。うーん相変わらず軽いな。ドレスフリル付きにしてこなくて正解だったわ。
此処は二階。そして手を掛けた塀は飛び越えられる高さ。....つまりはそういうこと。あとはこの手を離して、身を任せるのみ。


重心を半分傾けた所で、強く引き戻される感覚を覚えた。あまりにも予想外の行動だったのか、少々慌てているようだった。



「ちょおお!!な、何しとん!?」



貴族にしては随分と訛りのある声。強く引っ張られたせいでバランスを崩したらしい。声の主であろう人に身体を預ければ咄嗟の行動にしては手馴れた手つきで受け止められる。

男性にしては細く繊細な指、距離が縮まったせいか香水の匂いに混じって微かに香るこの匂いは、



「.......煙草?」

「!」


ほぼ独り言に近い小声を拾ったのか、僅かに息を呑んだのが分かった。.......さてと。
結局切っ掛けは出来てしまったわけだが。手綱は確実に此方が握ったも同然だろう。


まあ、その前に。




「...とりあえず.....座りません?」



いつまでもこの体勢なのは流石に恥ずかしいかな。

シチュ的には最高→←私は壁私は(ry



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にゃーちゃん - 初コメ失礼します!めちゃくちゃ面白くて一気読みしちゃいました…!!osmnかわええ…しゅき…(脳死)更新頑張ってください。楽しみにしてます! (4月28日 2時) (レス) @page40 id: fd6863f2a6 (このIDを非表示/違反報告)
名無し - 続き待ってます! (2023年1月11日 11時) (レス) id: ba7a9ff8a1 (このIDを非表示/違反報告)
ユキ(プロフ) - アリスさん» ありがとうございます。筆が乗り次第、頑張っていきます。 (2022年10月14日 1時) (レス) id: 988d605ba2 (このIDを非表示/違反報告)
ユキ(プロフ) - necoさん» コメントありがとうございます。無理しない程度で頑張りたいです。 (2022年10月14日 1時) (レス) id: 988d605ba2 (このIDを非表示/違反報告)
アリス(プロフ) - 下の方に同意です!!久しぶりの更新嬉しくて心臓止まるかと思いました!!!ありがとうございますこれからもがんばってください!! (2022年9月16日 14時) (レス) @page38 id: 7c87ff4c21 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ユキ | 作者ホームページ:  
作成日時:2019年9月17日 1時

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