ハニトラされたので騙されることにした。【d!】

いざゆかん ページ6

＊



ドレッサーの鏡に映る、如何にもどっかの童話から出てきたかと思わせる美人は紛れもなく自分なのは確かだ。うん、間違いなく私だ。

ほう、と誰かが感嘆であろう息を洩らした。



｢とても、とてもお似合いです…お嬢様｣
｢そうかしら。.......ありがとう｣



うん、自分でもそう思うよ。(自画自賛)
ところでメイドさん、さっきから随分鼻息荒いけど大丈夫?....いや、気持ちは分かるよ?
でもちょっと落ち着こうか。


身体の至る所に身に付けた煌びやかな装飾品の値段は知れず。纏うドレスの露出は抑え過ぎず晒しすぎず。施されたメイクは自身の本来の魅力を総動員して引き出させているも同然で。

まさに息を呑む程の“美人”が其処にいた。


いやあ、異性に限らず同性でも惚れ惚れしますよこれは。この顔が私じゃなけりゃ間違いなく拝んでるレベルだわ。毎日見てるだろって?

イケメンは3日で飽きたとしても美人は別なんだよ!!寧ろご飯進むわ!!
この国パンしかないけどな!!


閑話休題。




｢お嬢様、そろそろ...｣
｢わかったわ｣



護衛の人が部屋へと入ってくる。

参りましょう。差し出された手に掴まれば、もう後戻りは出来ない。


__さあて、行きますか。


波乱だらけでしかないパーティ(会合)へ。

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