被害者は誰？ ページ23
＊
オスマンが某国に訪問して実に数日後。
総統室にて。書類も一段落し、優雅にティータイムを楽しんでいた俺――グルッペンの元に荒々しく扉を開くと同時にズカズカと詰め寄る馴染みの顔があった。
言わずもがな“これでも”この国を担う一人でもある、鬱大先生である。
｢....どういうつもりや、グルちゃん｣
｢何のことだ？｣
｢とぼけんなや、あの国の潜入調査は俺だけやった筈やろ。...なんで、マンちゃんがおんねん｣
｢ああ、そのことか。..その割には、情報は集まってないみたいだが？｣
｢っ、とにかく！俺は彼女に興味なんて、微塵も――｣
｢――それは、聞き捨てならんわ｣
不意に上空からそんな声が降ってきた。かと思えば、通気口から軽々と飛び降りると、俺も加担するわ、と言わんばかりにニヤリと笑って見せたこの軍の脅威――ゾム。表情からして、この状況を心底楽しんでいるような。
――成程、お前
｢いい加減教えてくれてもええやん。大先生、あの姫さん落とそうとして逆に落とされたんやろ？｣
｢...、んなもん、演技に決まっとるやん｣
｢...姫さんの写真だけ綺麗に切り抜いといてよく言うわ｣
｢何でお前それ知って！！..あっ｣
｢正体現したね？｣
｢そういうとこやぞ｣
しまった、という表情を浮かべた所をここぞとばかりに二人がかりで口撃すればぐ、と押し黙った。よっしゃ勝った。つーかそんなこともしてたのかよ。どんだけ拗らせてるんや..この場にオスマンが居ないのが残念だ――などと脳裏でそんなことを思案した時。
｢.......大ちゃん、今の話、本当？｣
｢...げどちゃん！？｣
｢(あ、面白くなってきた。)｣
恐らく、手に書類がある辺り俺に用があったのだろう。白い軍服に身を包んだ仲間の一人が驚いたように、しかし何処か嬉しそうに笑う。強く出られないのか、たじろぐ大先生。
――いいぞ、もっとやれ。
｢....げ、げどちゃん..違う、違うんよ、これは｣
｢....今日はお赤飯だね、大ちゃん｣
そう言って顔をほころばせた彼――ひとらんらんは、大先生の制止も虚しく、俺に書類を渡すと静かにその場を後にした。
...とりあえず、現状報告をするとしたら横腹が痛くてたまらない。
__
補足だが、不運にも(？)最初から総統室にいて一連の流れを目撃したトントンは俺の横で呼吸困難に陥っていた。
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にゃーちゃん - 初コメ失礼します！めちゃくちゃ面白くて一気読みしちゃいました…!!osmnかわええ…しゅき…(脳死)更新頑張ってください。楽しみにしてます！ (2023年4月28日 2時) (
レス) @page40 id: fd6863f2a6 (このIDを非表示/違反報告)
名無し - 続き待ってます！ (2023年1月11日 11時) (レス) id: ba7a9ff8a1 (このIDを非表示/違反報告)
ユキ(プロフ) - アリスさん» ありがとうございます。筆が乗り次第、頑張っていきます。 (2022年10月14日 1時) (レス) id: 988d605ba2 (このIDを非表示/違反報告)
ユキ(プロフ) - necoさん» コメントありがとうございます。無理しない程度で頑張りたいです。 (2022年10月14日 1時) (レス) id: 988d605ba2 (このIDを非表示/違反報告)
アリス(プロフ) - 下の方に同意です！！久しぶりの更新嬉しくて心臓止まるかと思いました！！！ありがとうございますこれからもがんばってください！！ (2022年9月16日 14時) (レス) @page38 id: 7c87ff4c21 (このIDを非表示/違反報告)
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