ハニトラされたので騙されることにした。【d!】

駆け引き ページ19

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人は見かけによらないだとか、見た目に騙されるな、とか。散々言った所で、その人が猫被ってるかどうかなんて余程頭の切れる人間でなければわからない。




｢これ、持って帰っていい？｣
｢....お好きにどうぞ｣




彼は“そういう”ことに聡い。どうにかして私が尻尾を出すのを待っている。きっと、実力としてはあちら側が格段に上だろう。

だからこそ此方の実力を悟られてはならない。私とて、それなりにプライドはある。多少の虚勢を張ってでもしなければ、彼と同じ土俵に立つことすらできないのだ。
悔しいとは思っていない。それが実力なら、あとはそれをどう使うかだ。


深碧の瞳が覗いたと同時に、何処か真剣みを帯びた声音へと変わる。――さあ、どう出る。



｢...それで、本題なんやけど。

――大先生とはどこまで行ったん?｣

｢....え？｣




ああそういや、外交官以前に彼は自称JKだったと。今更ながら思い知らされた。
.......いや、何言ってんだこいつ。

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