失敗作が集う場所【にじさんじ】 (ページ25)

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たくさんの絵本ともう一人の俺ページ25

ある冬の日

後輩が死んだ。

データの王「現実世界への転移に成功した。ハデス、一人の責任は全員で背負う。この言葉の意味を理解しているなら、アンタもその足りない頭で犯人を捜せ。」

冥界の王「......ああ。アイツはデータ世界じゃなく、こちらに落ちてきた。しかも人間の体に寄生している。これ以上変に見られる前に殺ろう。」

黛灰「(......？何を話している？)」

いつも見る光景じゃない。なのにいつも見ている光景のような気がして、俺は一人、ビルを出た。あの四人が何をしているのか、それを知りたくて。

天界の王「ローレン。気付きましたか？」

データの王「......彼女の肉を持ち逃げしているみたいだな。ゼウス、焦がしてしまえ。」

天界の王「そりゃあもちろん。私たちの愛する人に手を出した分、痛い思いをしてもらいましょう。」

黛灰「(は？ローレン？)」

全員マントを被っている。深く、深く。
でもあの声はローレンだ。こちらを睨み付けるあの瞳もローレンだ。

後輩の声と姿と死体と刃と笑い声と叫び声と悲しいのと泣き声と

データの王「お前、ここで見たことは忘れろ。」

黛灰「......忘れられる、ものか。」

データの王「ならここで死ね。俺は先代のように甘くないんだ。先代は確かに厳しかったけど......お前みたいな目撃者を殺せるような人ではなかった。」

......それから、本がめくれるような音。

浮遊感があった。地に穴が空いた。

データの王「あ？ああ！？」

黛灰「落ちッ」