別れは悪 ページ20
シェリン・バーガンディ「御伽原さん、もう来ないんですよね。」
ローレン・イロアス「......そうですね。彼女はやりたいことを見つけ、ライバーという人生を卒業した。その意思はすべての本体へと伝わり、御伽原江良というデータは完全消去された。黛さんたちだっていつか......」
シェリン・バーガンディ「......共同墓地のデータ、改良しておきます。」
卒業という結末は悪だと、俺は思う。
ここにいる俺が死ねば、俺は二度とこの地に降り立つことはない。別の俺にとって幸せなことだとしても、今の俺にとっては不幸なことだ。
ここの生活は楽なんだ。創造されたデータを売るだけの簡単なお仕事に、望むものはなんでも手に入る。学校の教師も......少し楽しい。
黛灰「どーも。」
ローレン・イロアス「こんにちは。治療ですか?」
黛灰「語部紡を捜しているんですけど......」
ローレン・イロアス「それなら俺の家にいますよ。警備のアクシアにはタバコ渡しておけば大丈夫。」
黛灰「相変わらず安い賄賂ですね。助かります。」
俺は何度も本体に問う。どうしてお前は卒業を選んだ、と。
6人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:琲世 | 作成日時:2022年4月14日 8時