one more chance【御幸一也】 (ページ13)

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亮さんは無表情でしばらく前だけを見つめていたが、突然いつもの笑顔で俺の方を向いた。

亮介「俺も去年、同じことがあったんだよ」

御幸「え···?同じことって、タイムリープですか？」

亮介「うん。まあ俺はそうなるって同意したんだけどね」

亮さんが教えてくれる度に話が複雑になっていく。

同意って···?

御幸「亮さんにも··その、好きな人がいてってことですか？」

亮介「まぁ、そんな感じかな」

御幸「それで、今はどうなったんですか？」

亮介「····あの人はもう、この世にいないから、俺一人だね」

御幸「え···」

亮介「俺は後悔してるけど、御幸なら大丈夫だよ。じゃあ、また今度ね」

御幸「あ、亮さん！」

亮さんは一方的に話して行ってしまった。

もともと小さいその背中は、どこか悲しそうで余計小さく見えた。

亮さんと俺との共通点はタイムリープを経験していて、相手は『七瀬』ってこと。

でも亮さん、後悔してるって言ってたよな。

しかもこの世にいないって···

御幸「だめだ！考えるのやめよ！もう寝ないと！」

頭がパンクしそうで、このままだとおかしくなりそうだ。

俺は勢いよく立ち上がって部屋にもどった。

時計はもう12時を回っていた。