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夏休み最終日
御幸「野球部あるあるだよなーこれ」
倉持「ほんとそれな」
俺たち野球部は学校の体育館にいた。
明日から学校が始まるから、始業式の準備をさせられている。
入学式とか卒業式と違ってそんなに準備するものはないからすぐ終わるけど。
倉持「あー、せっかくのオフなのによ」
御幸「まあいつもよりゆっくりできるしいいじゃねーか」
倉持「早くゲームしてえ・・・」
御幸「宿題やったのかよ」
倉持「あとちょっとあるけど、何とかなんだろ」
御幸「夜になってから俺に助け求めてくるなよ」
倉持「はいはい。そーいや、明日やっと七瀬に会えるな」
御幸「・・・まあな」
七瀬は俺がずっと好きな同じクラスの女子だ。
そのことを知っているのは倉持だけで、時々相談に乗ってもらってる。
倉持「そろそろ告白しろよな。他のやつに取られるぞ」
御幸「わかってるけど・・・」
「おい御幸！ちょっとこっち来てくれ！」
御幸「あ・・はい！」
倉持「じゃあお先にな」
御幸「ああ」
．
御幸「失礼しましたー」
俺は最後に体育館の鍵を閉め職員室に返した。
みんなはもう先に寮に戻ってるんだろうな・・・
夕陽が窓から差し込んで、秋を感じる。
もう、夏も終わるんだなーと窓の外を眺めながら廊下を歩いた。
「あれ、御幸君？」
後ろから声をかけられ振り向くと七瀬が立っていた。
夏休み中は全然会えなくて、モヤモヤしていたけどラッキーだな。
でも、まさかこんなところで会うなんて思わなくて俺はドキドキしていた。
しかも今日は私服だ。
胸元の赤い石がついたネックレスが夕陽に照らされていた。
御幸「な、七瀬か。なんでここに？」
A「ちょっと職員室に用事があって」
御幸「そっか。じゃあ、また明日な」
本当はもっと話がしたかったけど、緊張しすぎて俺は何も言えなかった。
A「・・・あ、御幸君」
御幸「ん？」
A「私ね・・・明日から来ないの」
御幸「え・・・？」
A「親の都合で転校することになって・・だから、今日で最後だね」
御幸「そう、なのか・・？」
A「うん。今までありがとう。じゃあね」
七瀬は悲しそうに笑って、そして歩いて行った。
俺は何も言えずにただその場に立ち尽くしていた。
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アンズ(プロフ) - うわぁぁあ……切ねぇ…… (2022年2月3日 23時) (
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作者名：Sone | 作成日時：2021年7月6日 22時
