年下のメガネくん (ページ8)

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メガネくんのお父さんに頼まれたというのもあるけど、私はメガネくんが気にかかっていた。

どの家庭にも事情はあるし、今時片親なんて珍しくない。

だけどメガネくんの涙をこらえる姿を見たとき、ほっとけないと思った。

A「ただいま～」

母「おかえりー。帰ってきたところで悪いんだけど、お遣い行ってきてくれる？お豆腐買い忘れちゃったの」

A「えー、疲れたー」

母「今日はAの好きな激辛麻婆豆腐にしようと思うんだけど・・・」

A「行ってきます」

私はお母さんにお金を預かってスーパーに向かった。

A「まったく、麻婆豆腐の豆腐を買い忘れるなんて・・・」

豆腐と勝手に選んだアイス(パ●コ)を持ってレジに並んだ。

お会計を終わらせてスーパーから出ようとすると、見慣れた少年の後ろ姿があった。

両手で買い物袋を持って重たそうだ。

御幸「よいしょ、よいしょ」

かわいい・・けど、助けなきゃ。

A「メーガネくん！」

御幸「うわぁ！おねーさん。なんでここにいるの？」

A「ちょっとおつかい。メガネくん毎日お買い物してるの？」

御幸「ううん。数日分まとめ買いしてるの」

・・・・主婦かよ。私よりもいいお嫁さんになりそう。

A「えらいね。アイス買ったから一緒に食べながら帰ろ」

御幸「いいの？やったぁ！」

アイス(パピ●)を半分こして、メガネくんの買い物袋も片方ずつ持って一緒に歩いた。

A「メガネくんの得意料理って何？」

御幸「チャーハンかな！最近はオムライスにハマってるよ」

A「すごい・・今度作り方教えてよ」

御幸「いいけど、おねーさんは何か作れるの？」

A「・・・・料理しないんだよね」

御幸「ぷっ、おねーさんそんなんで将来どうすんの？」

A「うっ・・・将来はバリバリ働いて稼いで家政婦雇うの！」

御幸「なんだよそれ！ま、俺がプロ野球選手になってもまだ一人だったら拾ってあげるよ」

A「なにそれプロポーズ？」

御幸「ちげーよ！さいしゅうしゅだんってやつ！」

A「このメガネ～！」