36 ページ42
一也の二十歳の誕生日。
一週間前から一也に「俺の誕生日だけど、俺にエスコートさせて」とお願いされていた。
午前中はお互いに仕事と練習があったから、私が集合場所のホテルに着いたのは夕方6時頃だった。
ホテルは誰もが知っているような有名なところで、私は入り口の前で圧倒されていた。
A「こ、こんなところ来たことないけど、大丈夫かな・・・」
「七瀬A様ですね?こちらにどうぞ」
フロントの人に声をかけられ私は奥の方に案内された。
着いていくと大きい更衣室みたいなところで、女性のスタッフたちが私を待ち構えていた。
「では七瀬様、あとは私たちにお任せください」
A「・・・へ?ひゃぁああ〜!」
そして私はされるがまま、服を着替えさせられメイクをされた。
着慣れないドレスと綺麗なお化粧に、高いヒールを履いて、なんだかシンデレラにでもなった気分だ。
真っ直ぐ歩けるか不安だったから、手を借りながら案内されるところに向かった。
「御幸様はこちらでお待ちですよ」
A「あ、ありがとうございます」
ドアを開けてもらい、中に入るとスーツ姿の一也が座っていた。
私も案内された席に座らせてもらった。
一也は私を見ているけど何も言わない・・・。
A「か、一也?どうしたの・・・?」
御幸「あ、いや・・綺麗すぎて見とれてた」
A「へ・・・?あ、ありがと・・。一也もかっこいいよ」
普段見ないスーツ姿の一也は、この高級ホテルにも似合うくらいかっこいい。
ワインと料理が運ばれてきて、至れり尽くせりで私は戸惑っていた。
でも私の方が年上だし、と思って顔には出さないようにしてるけど・・・
A「一也、お誕生日おめでとう。今日はありがとうね」
御幸「うん。俺のわがままに付き合ってくれてありがとう」
ワインが運ばれてきて、私のグラスに注がれた。
続いて一也のグラスにもワインを注ごうとする。
A「あ、彼は・・」
御幸「いいの。俺、もう二十歳だから」
A「あ、そっか」
ワインが注がれ、2人でグラスを持って乾杯した。
一口飲んでわかる。
このワインは今まで飲んだワインの中で一番高いしおいしい。(酒豪発動)
チラッと一也を見てみると、案の定渋そうな顔をしていた。
A「どう?初めてのお酒は」
御幸「う・・これがおいしいの?ワインってぶどうジュースにアルコールが入ってるもんだと思ってた・・・」
124人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
うへ子 - 面白い自分好みの小説です!もっと書いて欲しい(我の願い) (2021年7月1日 20時) (レス) id: 5d1e784f6c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:Sone | 作成日時:2021年6月22日 18時