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A「ん・・・」


カーテンから日差しが差し込んできて、まぶしくて目が覚めた。


右手にはスマホが握られていて、通話履歴の一番上には「御幸一也」の文字があった。


A「夢じゃなかったんだ・・・」


電話の内容を思い出そうとしたけど、ほとんど思い出せなかった。


最後に私の名前を呼ぶメガネくんの声が聞こえたことは覚えていたけど・・・


A「ていうか、名前呼ばれたの初めてだよね・・・」


メガネくん、見た目だけじゃなくて声も大人っぽくなっていて、かっこよかった。


正直ときめいてはいる。


でも、そんな自分がちょろいというか、ずるいように思えて、素直になれない私がいる。


A「はぁ・・・お風呂入って大学行くかぁ・・・」






.






トレーナーの道は険しく、未経験で雇ってくれるところはなかなか見つからなかった。


だけど七世の協力もあり、七世が入る予定の実業団に内定をもらうことができた。


A「七世ありがとーー。ほんと神様だよ〜」


七世「はっはっはっ、崇めろ〜!讃えろ〜!でも、これで私専属トレーナーってことになったわね!有言実行!」


A「いや、専属ではないよ」


内定をもらった日は嬉しすぎて、いつものように七世と飲み明かした。


A「たらいま〜。う〜水・・・」


母「ちょっと、少しは考えて飲みなさいよね」


A「だってお祝いらったんだもん〜」


母「化粧は落としなさいよ!」


A「は〜い」


私はお母さんの言葉を聞き流して自分の部屋に向かった。









御幸「おねーさん、やっぱりごめん。俺無理だ」


A「へ?」


御幸「わかってはいたけど、ここまでとは思わなかった・・・。俺、この人と付き合うことにするから」


メガネくんの隣には、とても美人でスタイルの良い人が立っていて、メガネくんはその人の肩を抱いていた。


A「そ、その人は、美人料理研究家の・・・」


御幸「じゃあね、おねーさん。もうアラサーなんだから急がないと売れ残っちゃうよ?」


そしてメガネくんと美人料理研究家は背を向けて歩き出した。


A「な、んで・・・」


私のこと、好きっていったのに・・・


でも、私のせいだよね。私がこんなだから・・・


このまま一人で歳とって、おばあちゃんになっていくのかなぁ・・・







A「はっ!今の、夢?」


時計を見ると朝5時。


下の階からお母さんの料理を作る音が聞こえて、私は急いで階段を駆け降りた。

29→←俺の好きなおねーさん



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うへ子 - 面白い自分好みの小説です!もっと書いて欲しい(我の願い) (2021年7月1日 20時) (レス) id: 5d1e784f6c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Sone | 作成日時:2021年6月22日 18時

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