俺の好きなおねーさん ページ29
まさか本当におねーさんに会えるとは思わなかった。
夢じゃないか不安になって帰りのバスでは何度も携帯を確認した。
倉持「何にやけてんだ?気持ちわりー。ていうか何回ケータイ見てんだよ」
御幸「ん?ああ、別に。なんもねーよ」
倉持「嘘つけ!」
沢村「あ!倉持先輩聞いてくださいよ!キャップが球場のトイレでナンパしてたんスよ!」
御幸「してねーよ」
倉持「は?まじかよ!」
御幸「だからしてねーって」
沢村「はい!『あれ?おねーさん?』って、どう見たって女性なのに失礼ですよね。新手のナンパですかね」
倉持「御幸、お前意外にやる男なんだな」
御幸「ちげーよ!」
.
寮についてやることやってたら12時近くになっていた。
おねーさんに電話かけたいけど、起きてるかな・・・
ケータイにはおねーさんの番号が映っていて、あと発信ボタンを押せば電話がかかる。
でも、親指が震えてなかなか押せなかった。
自販機の前を何度も往復しては止まっての繰り返しだ。
御幸「ふぅ〜、がんばれ俺」
覚悟を決めて、俺はボタンを押した。
A『ん・・・もしも〜し』
御幸「おねーさん?今大丈夫」
A『ふふっ、だいじょうぶらよ〜』
昼間のおねーさんはどこか気まずそうにしていたけど、今のおねーさんは上機嫌で呂律が回っていない。
おそらくお酒を飲んだんだろう。
御幸「もしかして酔っぱらってる?」
A『へへ〜そのと〜りです!だって私もう大人だもん!』
御幸「はいはい。そーですか」
大人だもんって・・・まるで子供みたいだ。
A『・・・・嫌になった?私の事』
御幸「へ?」
さっきの上機嫌とは打って変わって、おねーさんの声はか弱くて少し震えていた。
A『だって私、メガネくんに似合うような女じゃないよ?料理も家事もできないし、酒豪だし・・・メガネくんが二十歳になる時はアラサーだし』
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うへ子 - 面白い自分好みの小説です!もっと書いて欲しい(我の願い) (2021年7月1日 20時) (レス) id: 5d1e784f6c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Sone | 作成日時:2021年6月22日 18時