3 ページ3
それからほぼ毎日、平日にはあの小学生たちに声をかけられた。
最初は無視していたけど、意外にかわいい子たちだった。
「ねーちゃんすげーー!」
「なんでそんな遠くに投げられんだよ!」
A「へへーん!私運動神経はいい方なの!君たちは野球やってるの?」
「みんな同じリトル入ってるんだ!でも、まだ試合には出られないから練習してんだ」
A「へー。みんなすごいねぇ」
「俺たち土日はここで練習してるからおねーさんも来てよ!」
「そーだそーだ!来てよ!」
「ちょうど日曜日試合だし!」
A「へ?」
結局ゴリ押しされて、日曜日に行く約束をしてしまった。
A「ほら、みんな暗くなってきたから帰るよー」
「「「はーい!」」」
小学生を引き連れて帰る私って・・・。
よかった友達に見られてなくて。
一人、二人と減っていき、最後は私とあのメガネくんだけになった。
「そういえばおねーさんの名前聞いてなかったね」
A「あ、うん。私は七瀬A。君は?」
「俺は御幸一也」
A「みゆき?珍しい苗字だね」
御幸「うん。よく女の子みたいってからかわれる」
A「ぷっ、みゆきちゃん?」
御幸「やめてよ!」
メガネくんは顔を赤くしている。かわいい・・・
A「まあまあ。メガネくんポジションは?」
御幸「キャッチャーだよ!」
A「へー、珍しいね。小さい子ならピッチャーとか目立つポジションが好きそうなのに」
御幸「キャッチャーはすげーかっこいいんだよ!」
メガネくんは目をキラキラさせながらキャッチャーについて語っていた。
友達といる時はクールなイメージだったけど、やっぱりちゃんと小学3年生なんだ。
御幸「おねーさん聞いてた?」
A「き、聞いてたよ!」
御幸「ほんとー?」
A「うん、ほんと。メガネくんのプレー楽しみにしてるね」
御幸「うん!俺がキャッチャーのすばらしさ教えてあげる!じゃあね!」
ちょうどメガネくんの家の前についた。
建物には『御幸スチール』と書いてあるから自営業なんだろう。
御幸「とーちゃーん!ただいまぁー!」
メガネくんは家の中に走っていった。
私もメガネくんを見送って自分の家に向かった。
124人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
うへ子 - 面白い自分好みの小説です!もっと書いて欲しい(我の願い) (2021年7月1日 20時) (レス) id: 5d1e784f6c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:Sone | 作成日時:2021年6月22日 18時