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先生「今になって志望校変えるのか?」
A「はい。父が転勤することになって・・・」
先生「大学生なら一人暮らしでもいいじゃないか」
A「いやー、私家事全般まったくダメで一人で生活できるかどうか・・・。それに勉強にも集中したいし」
先生「そうか・・・じゃあ大阪周辺で専攻のあるところリストアップしておく」
A「よろしくお願いします」
あの日からメガネくんには会っていない。
メガネくんの家にも行ってみたけど学校と野球以外は部屋にこもっているみたいで、メガネくんのお父さんにも事情を伝えておいた。
メガネくんに会えない日々は退屈だった。だからといって会いに行ったとしても避けられてしまうのが怖くて行けなかった。
そのまま冬になり、センター試験を終えて、私は無事に大阪の大学に進学が決まった。
母「Aー!もう荷物ない!?」
A「うん!大丈夫!」
父「忘れ物があってもまた取りに来ればいいさ」
母「そうね」
A「ちょっと、散歩してくる」
母「早く戻ってくるのよ」
A「うん」
今日はいよいよ大阪へ出発する。
新しい生活にわくわくする気持ちもあるが、どこか心から喜べない。
それはきっと・・・
A「あ・・・」
勝手に足が動いていて、気づくと目の前の建物には『御幸スチール』の文字が。
めずらしく工場のシャッターは降りていた。
今は春休みだからメガネくんはきっと練習か試合に行っているだろう。
『おねーさんなんて・・・大嫌いだ!』
あれから一度も口を聞いてないんだもんな・・・。
A「ごめんね・・・メガネくん」
私の言葉は誰にも届くことはなかった。
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うへ子 - 面白い自分好みの小説です!もっと書いて欲しい(我の願い) (2021年7月1日 20時) (レス) id: 5d1e784f6c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Sone | 作成日時:2021年6月22日 18時