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いつもは「子供扱いしないで」って振り払うのに、今日は抵抗しなかった。
A「メガネくん・・・?」
御幸「俺、おねーさんが傍にいないなんてイヤだよ。ずっとそばで見ててほしい。・・・だって、俺・・・」
メガネくんはだんだんと声が小さくなって、最後は何を言っているか聞き取れなかった。
A「この5年間本当に楽しかったし毎日充実してた。でもいつまでもこのままいれるわけないって最近考えてたの。いつか離れなきゃいけない時が来るって思ってた」
私が言うと、下を向いたメガネくんの頬に涙が伝った。
頭に置いていた手を頬に持っていき涙を拭った。
A「泣かないでよ。まだ本当にどうなるか分からないんだから」
御幸「でも、気持ちはそっちに行ってるでしょ」
核心を突かれて何も言い返せなかった。
メガネくんの涙に私の心も痛くて、涙が出そうになった。
A「・・・ごめんね」
御幸「・・・やだ!」
メガネくんは頬にあった私の手を振り払って、立ち上がった。
御幸「俺・・・おねーさんのこと・・」
一度言いかけたが否定するように首を横に振った。
御幸「おねーさんなんて・・・大嫌いだ!」
そうい言ってメガネくんは荷物を持って部屋を飛び出していった。
A「メガネくん!」
一足遅れて追いかけたが間に合わなくて、階段を降りたころにはもう家から出てしまっていた。
母「どうしたの?一也君すごい勢いで出て行ったけど・・・」
A「・・・私、メガネくんのこと傷つけちゃった」
今ごろになって涙がポロポロとこぼれた。
もっといい方法があったんじゃないのか、
あのときなんて答えたらよかったんだろう。
後悔してももう遅いのは分かってる・・・。
その日私は自分の部屋で泣き続けた。
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うへ子 - 面白い自分好みの小説です!もっと書いて欲しい(我の願い) (2021年7月1日 20時) (レス) id: 5d1e784f6c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Sone | 作成日時:2021年6月22日 18時