38助けたい ページ42
大王が天界へ向かってからしばらくして、
空の方からガァァン、と大きな音が聞こえた。
雷のようで雷じゃない。
その直後にすごい勢いで落ちてくる何か。
色が変わってしまった瞳でソレを見る。
すると
「___っ、大王!?」
はっきり見える大王の姿。
まだかなり距離があるのにこんなにはっきり見える…
自分がどんどん人間でなくなっていくことがわかる。
でもそんな事で落ち込んでいる暇はない。
大王は“降りてきている”のではない。
“落ちてきている”んだ。
いくら大王でも、このまま地面に当たったら死んでしまう。
「大王…!」
___大王を助けたい、
それしか頭になかった。
気づけば両手を空に向け、
気づけば自分の手から
瞳と同じ、黄金の光が出ていた。
大王の落ちる速度は落ち、
ふわりと地上に降りた。
「ま…ほう…?」
多分今のは魔法。
今まで全然使えなかった魔法。
人間らしさが無くなっていくのは悲しいけど
大王を助けられたのだからいい。
「大王!」
起き上がらない大王に駆け寄った。
「大王…!」
「…う、A…?」
目を開けて、とりあえずホッとした。
だけど全身にひどい怪我。
瞳も虚ろ。
「ごめん…俺、勝てなかった」
そう言いながら弱々しく私の手を握る。
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MAGIC(プロフ) - 来世編作って下さい!!!!!! (2019年1月18日 20時) (レス) id: 7088d3da14 (このIDを非表示/違反報告)
MAGIC(プロフ) - めっちゃ感動しました(´;ω;`)めっちゃ涙でたし おいがわさぁーん 素敵なお話でした!これからも頑張ってください。 (2019年1月17日 22時) (レス) id: 7088d3da14 (このIDを非表示/違反報告)
蘭緒@Trombone - 感動しました。最後な近づくにつれて涙腺崩壊(笑)素敵なお話でした。これからも頑張ってください! (2018年1月17日 21時) (レス) id: 0600f4113b (このIDを非表示/違反報告)
朱蘭 - 最後で涙腺が…及川さん大好きです!! (2018年1月4日 17時) (レス) id: 0b13844573 (このIDを非表示/違反報告)
れいる(プロフ) - すごく素敵なお話でした!!もう涙が止まらなかったです!!!これからも頑張って下さい!!!作者登録とお気に入り失礼します!! (2017年12月22日 23時) (レス) id: 20cf36dfdb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あお | 作者ホームページ:http://www.pixiv.net/member.php?id=2098107
作成日時:2014年11月21日 18時