11黄色い声 ページ12
「A様、こんにちは!」
「A様!」
城の敷地から出て、近くの街を歩くと、
その街の住人たちから声をかけられる。
「こんにちは」
なぜ、あんなにボロボロの子供だった私が、
魔法も使えない私が、
“様”をつけられるほどの者になったか。
それは、自分で言うのもなんだが、
頭がとても良かったからだ。
城に来た時、私は字の読み書きが
出来なかった。
そんな私に、キヨコさんが丁寧に教えてくれて、読み書きができるようになり、
本を読んだり勉強をするのが大好きになった。
それで得た知識はかなりのもの。
その頭を買われて、私は今や大王の側近。
大黒魔術師クロさんと、大魔女キヨコさんと
近い立場だ。
、
、
、
『キャーッ!』
大通りに出たところで、女の叫び声が聞こえた。
…といっても、事件性は感じられない、
黄色い声。
「…やっぱり」
私の視線の先、そこには、女に囲まれている
黒いマントを羽織った背の高い男。
―――大王、
「大王!」
「ん?ああ、A」
どうしたの、なんて言って
こちらを向く。
…どうしたの、じゃない。
「どうしたの、じゃありません。
これから会議でしょう?早く城に戻ってください」
「えぇ〜会議キライ面倒くさいもん」
「いいから早く来いバカ大王」
「えっ、ヒド!」
ああ、もう遅い!
ガシッとマントを掴んで、引っ張る。
「わああ、ちょっと!
じゃあね、みんな!また来るね〜」
女たちに手を振る大王。
…ったく、この女好きが。
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MAGIC(プロフ) - 来世編作って下さい!!!!!! (2019年1月18日 20時) (レス) id: 7088d3da14 (このIDを非表示/違反報告)
MAGIC(プロフ) - めっちゃ感動しました(´;ω;`)めっちゃ涙でたし おいがわさぁーん 素敵なお話でした!これからも頑張ってください。 (2019年1月17日 22時) (レス) id: 7088d3da14 (このIDを非表示/違反報告)
蘭緒@Trombone - 感動しました。最後な近づくにつれて涙腺崩壊(笑)素敵なお話でした。これからも頑張ってください! (2018年1月17日 21時) (レス) id: 0600f4113b (このIDを非表示/違反報告)
朱蘭 - 最後で涙腺が…及川さん大好きです!! (2018年1月4日 17時) (レス) id: 0b13844573 (このIDを非表示/違反報告)
れいる(プロフ) - すごく素敵なお話でした!!もう涙が止まらなかったです!!!これからも頑張って下さい!!!作者登録とお気に入り失礼します!! (2017年12月22日 23時) (レス) id: 20cf36dfdb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あお | 作者ホームページ:http://www.pixiv.net/member.php?id=2098107
作成日時:2014年11月21日 18時