04色褪せた ページ5
「スゴイ…綺麗」
「でしょー?全て俺が造ったんだ。
あと、あっちをみてごらん」
オイカワ大王の指差す先を見てみれば、
こことは違い濁った空に、濁った色の草木。
そんな、色褪せたところがあった。
「あそこは、君のいた世界だよ」
あんなに汚かったんだ。
それもそうか。そこに住む人間自体も
穢れているもの。
「あと、俺の世界になっていないのは
あそこだけなんだ。
あの暗い世界を、俺好みの鮮やかな世界に
変える。
そのために調査をしている時、
君の姿を見たんだ」
「私を…?」
「そう。殺されそうになってるんだもん。
思わず連れてきちゃったよ」
なんで君みたいな小さい子が、あんなに
たくさんの大人達に追われていたの?
…そう、大王は問う。
「私、他の人とちょっとだけ違うの」
「……その、赤色の瞳?」
やっぱり気づいていたか。
その通り、私の目は生まれつき赤い。
病気でも怪我でもないのに赤い。
だから、そんな私を村の人々は怖がって
“悪魔の子”
”呪われた子”
そう呼び、
病気が流行った時も日照りが続いた時も
私のせいだと決めつけて、
最終的には殺そうとした。
「私、呪いの魔法なんて知らない。
天気を変える魔法だって使えない。
悪魔じゃない。普通の子なの。
…しんじて、大王様」
もう事実とは違うことで
怖がられたり嫌われたり、恨まれたくない。
ぎゅっ、と大王の服を握りしめた。
「…可哀想に、ずっと辛かったんだね。
大丈夫。俺はわかってあげるから。
____見てて」
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MAGIC(プロフ) - 来世編作って下さい!!!!!! (2019年1月18日 20時) (レス) id: 7088d3da14 (このIDを非表示/違反報告)
MAGIC(プロフ) - めっちゃ感動しました(´;ω;`)めっちゃ涙でたし おいがわさぁーん 素敵なお話でした!これからも頑張ってください。 (2019年1月17日 22時) (レス) id: 7088d3da14 (このIDを非表示/違反報告)
蘭緒@Trombone - 感動しました。最後な近づくにつれて涙腺崩壊(笑)素敵なお話でした。これからも頑張ってください! (2018年1月17日 21時) (レス) id: 0600f4113b (このIDを非表示/違反報告)
朱蘭 - 最後で涙腺が…及川さん大好きです!! (2018年1月4日 17時) (レス) id: 0b13844573 (このIDを非表示/違反報告)
れいる(プロフ) - すごく素敵なお話でした!!もう涙が止まらなかったです!!!これからも頑張って下さい!!!作者登録とお気に入り失礼します!! (2017年12月22日 23時) (レス) id: 20cf36dfdb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あお | 作者ホームページ:http://www.pixiv.net/member.php?id=2098107
作成日時:2014年11月21日 18時