第三十八話、夜の学園へ ページ40
あの後、先生に寝ろ寝ろと言われ続け、結果寝た。
いや、最終的には寝たんですけどね、
途中まで、寝たフリをしていた。
心の中で先生ゴメンナサイ、と謝る。
先生のベッドは勿論だがいつも自分が寝ているベッドよりもかなり上質なものらしい。
すごいふかふかしていた。
しかし、私には上質すぎて寝れなかったのだ。
ごめんなさい、これも嘘。
先生が怖かっただけである。
私が寝ていたのは先生の寝室ですから。
先生がたまに何かを取りに来るんです。
途中で起きて逃げようにもきっと先生に止められるだろうし。
でも隣の部屋で先生が立つ音がして、足音が遠くなってから少ししてシャワーの音が聞こえてきた。
そこでAさん、あることに気付きました。
「お風呂……入ってない……」
今まで、朝早く帰ったら良いか、と呑気に考えていたが、
これによって帰らねばという気持ちになった。
急いで起き上がり、今いる部屋を出て他の部屋を歩く。
まぁ家でもないので
薄く光るその鏡に手を触れたとき、はっ、とあることを思いつく。
先程まで先生が使っていたであろう机。
その上にあるメモ用紙のようなものを手に取る。
あと、近くのペンも取り、文字を綴り始めた。
「『私の部屋へ戻ります。』っと、……これで大丈夫だよね」
コトン、と机の上にペンを置いて、紙をペンと机の間に挟む。
よし、と言った直後にキュッ、とシャワーを止める音が聞こえた。
急いで、でも足音は立てずに鏡の前へ行く。
一度、手紙の方を見てから鏡の中へ沈んでいった。
鏡の向こうはどこをどう見ても闇しかない。
一瞬引き返そうと思ったが、その悩んでいた少しの時間でも目は慣れて、
きっと大丈夫、と一人で思いこんで歩を進めていった。
彼女の姿が消えて、鏡の波紋が消えたとき、シャワールームの扉が開いた。
………………
はぁ、と小さなため息を一つ吐いてから扉を開く。
別にため息をついたことに訳はない。
気のせいだろうが厄介ごとの気がしただけで。
バスタオルで髪を拭きながらつい先程までいた机へ向かう。
すると、そこには一つの書いた覚えのない紙があった。
『私の部屋へ戻ります。』
短くそれだけ書かれていた。
………………
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 607人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ツイステ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
凛雪(プロフ) - ヒバナさん» いつか来るってわかってたけども帰れ← お気に入り登録はありがとう← (2020年7月11日 21時) (
レス) id: b7b3ee48e0 (このIDを非表示/違反報告)
ヒバナ(プロフ) - めちゃくちゃ面白かったのと、凛雪の好み詰め込んでんなぁって思ったのとヴィル様出してくれてマジ感謝←お気に入り登録しとくね〜← (2020年7月11日 21時) (レス) id: 4ed4c826df (このIDを非表示/違反報告)
凛雪(プロフ) - ゆきなさん» 本当ですか！？ 私もフロイド好きです！ 性格など頑張りますね。 (2020年4月17日 9時) (レス) id: 21ba262ac5 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきな(プロフ) - フロイド好きです！ (2020年4月17日 2時) (レス) id: e7791cc44f (このIDを非表示/違反報告)
凛雪(プロフ) - ゆきなさん» コメントありがとうございます！ ラギー君です！ 口調とか頑張ってます… 読んで下さりありがとうございます！ (2020年4月16日 16時) (レス) id: 58b35323d4 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
