13 ページ14
.
Youside
黒田くんが教室を出ていった後 “勘違い“ の意味を考えているけど､全く分からない…。
勘違いするって､何を勘違いするんだろう？
そんなことを考えていると光成を迎えに行く時間になっていた。
教室を出て突き当たりの角を曲がると階段が見える。
踊り場で誰かが揉み合っている影があった。
嫌だなあ… 面倒事には巻き込まれたくない､と反対側にある階段に回ろうと背を向けた時、聞き慣れた声がした。
？「お前…！」
…… この声。
立ち去ろうとしていた階段に向き直し数段降りると、見慣れた顔がふたつ。
「…光成！？なにしてんの！」
何故か黒田くんの胸ぐらを掴んでいる光成と
抵抗も反抗もせず ヘラヘラとしている黒田くん。
慌てて2人の元に駆け寄り､黒田くんの胸元を強く握っていた光成の手を解いた。
黒田「そんな焦んなくていいよ」
笑いながらそういう黒田くんに少し安心して光成を見ると
今までに向けられたことの無いような冷たい目で私を見ていた。
「ねぇ､ほんとに最近どうし…「何そいつの言葉で安心してんの？」
「…え？」
檜山「俺よりそいつが良いならもう好きにしろよ」
「ちょっと待ってよ､状況がわかんないって」
檜山「否定しねえって事はそういう事なんだろ」
理解が追いついていない私に言葉を投げ続ける光成。
檜山「もう余計なお節介も辞めるわ。今まで不自由にさせてて悪かったな」
「なんのこと？待ってよ､不自由だなんて…」
去っていく幼馴染に投げ返した私の言葉は彼に届くことは無く
沈黙へと飲み込まれた。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 373人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：夜這 | 作成日時：2023年3月28日 17時
