狼少女はお嫌いですか？ (ページ6)

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Your side

「Aちゃーん、これやっとくねー？」
『あー、うん！ありがとう、助かる。』

高校はもう、今週末に迫った体育祭ムード１色。
私は何故か雑用みたいなことをやらされていて。

美咲「おっ、A働いてるねー。」
『誰のせいだと思って……！』

そう。私がこんなに働かされているのは、単に美咲が体育祭実行委員なんてやっているから。

美咲「まあまあ、いいじゃん。
体育祭終わったあと、絶対達成感あるからさ！」
『私は美咲とは違って、実行委員とか好きじゃないの。』

美咲は行事の実行委員とかが好きなタイプで、去年は文化祭のクラス代表をやってたりもしていた。
一方私はそういうのがあまり好きではなくて。
人前に出るのも得意じゃないから、演劇部だけど１度も舞台に立ったことはないし。

……こんなに真逆なのに、何で仲良くなったんだろう。改めて考えるとちょっと不思議。

美咲「あれ、A、ケータイ鳴ってるよ？」
『え、誰から？』

机の上に置きっぱなしになっていた私のスマホを手に取る美咲。バイブがなり続けている。

美咲「んーと、安井くん？だって。」
『えっ！？ちょっ、貸して。』

想像もしていなかった人からの突然の電話。
慌てて美咲からスマホを受け取って教室を出る。

『はい、もしもし。』
？「もしもし。Aちゃん、ですか？」
『はい。そうですけど……？』

聞こえてきたのは知らない男の人の声で。
安井くんじゃないみたいだけど……？

？「あ、ごめんね。俺は森田美勇人。
やっすーと同じグループのメンバーなんだ。」
『グループ……？バンドとか組んでるんですか？』
森田「……まぁ、そんな感じ。
詳しくは今度やっすーから聞いて？」

要領を得ない回答だったけど、そんなこと言われたらこれ以上聞けなくて。
……今度、安井くんに聞いてみよ。

『えっと、それで用件は……？』

私がそう言いかけた時、

安井「ちょっ、みゅーと！？何やってんの！？」
森田「うわっ！やっすー帰ってきた！！」

なんて声が電話越しに聞こえてきた。
……安井くんに無断で携帯使ってたんだ。

安井「あっ、Aちゃん？ごめんね、みゅーとがいきなり。切るね！」
『あ、はい。失礼します。』

通話が切れたスマホを片手に教室に戻ると、

美咲「A、おかえり。」
『……うん。』

美咲がドアの前で待ち構えていた。

美咲「で、安井くんって誰？」
『この前知り合った人。』
美咲「彼氏とかでは？」
『ない。』