狼少女はお嫌いですか？ (ページ26)

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Your side

『今日の主役なのに、私の見送りなんてしてもらって本当にすいません……。』
安井「俺がやりたくてやってることなんだから、Aちゃんは気にしなくていいの。」

まだパーティーは途中だけど、私は未成年で学生ということで先に帰らせてもらうことになって。
「女の子が夜道をひとり歩きするのは危ない！」と言う皆さんの会議の結果、安井くんに駅まで送ってもらうことに。

今日は安井くんのための会なんだから安井くんが抜けたらまずいんじゃないかと思っていたんだけど、森田さんが「やっすーとゆっくり話せてないでしょ？」と言ってくれたので、お言葉に甘えさせてもらった。

安井「こんなに遅くなっちゃってごめんね。
今日、楽しかった？」
『はい、すごく楽しかったです！
皆さんとっても優しくて。
怜央に会ったのもびっくりしました笑』
安井「あー、あれは俺もびっくりした笑
世間って狭いなーって。」

そう言って屈託なく笑う安井くんは、８歳も年が離れてるとは思えないほど無邪気で。

……もし、同年代として安井くんと出会えてたら仲良くなれてたのかな。
何故か不意に、そんなことを思った。

他愛もない話をしていたら、あっという間に駅の改札口まで着いてしまって。

『……あの、安井くん。』
安井「んー？」
『これ、良かったら使ってください。』

改札前で足を止めた安井くんに、ずっと渡し損ねていた包みを手渡した。

安井「え、これ……。」
『一応、誕生日プレゼントです。
こんなタイミングになっちゃって、すいません。』
安井「開けていい？」

私が頷くのを確認すると、安井くんはその場で丁寧に包みを開いた。

安井「あー！マイボトルだ！
俺ちょうど欲しかったんだよね！」
『欲しい物が全然わからなくて、森田さんに相談乗ってもらいました。』
安井「あー、だからかぁ笑」

ステージドリンク入れられるやつが欲しいってこの前楽屋で話してたよ、って森田さんから聞いて選んだんだよね。
とにかく保冷・保温が効いて、尚且つおしゃれなのにした、つもり。

安井「しかも、俺のメンバーカラーのピンクはいってるじゃん！完璧！！笑」

それも、森田さんから聞いた。
「ピンクのがあったらそれがいいよー」って言われてたけど、メンバーカラーだったんだ。

安井「え、本当に嬉しい！
ありがとう！次のライブから使うね！」

本当に嬉しそうに言う安井くんを見ていると、私も嬉しくなって。
プレゼント、頑張って選んで良かったな。