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step18 ページ18

Your side


美咲「あー、疲れたね。」
『ギリギリまで作業してたからね。』

7時を過ぎたのにまだ外は明るくて、夏だなぁって実感する。

明日でテスト一週間前になって部活が禁止になっちゃうから、今日が夏休み前最後の日で。
ギリギリまで作業して、最終下校時刻の7時ギリギリに走って校門をくぐった私達は大分ヘトヘト。

『それにしても、あっついなぁ。』
美咲「アイス食べて帰ろうよ。」



駅前のコンビニに寄って、クーラーボックスの前でひと涼み。
何食べようか考える私の目に止まったのは、モナカアイス。
……この前、安井くんにこれ奢ったっけ。

美咲「Aー、決まった?」
『あー、うん。これにする。』

そのままモナカアイスを手に取って、お会計。

美咲「Aがそれ買うの、珍しいね。」
『何となく、甘いのが食べたくて。』



美咲「A、もうテスト勉強始めた?」
『まだ何にもやってないんだよね。ヤバいかも。』
美咲「とか言いつつ、また学年1位取っちゃうんでしょ?
あーあ、だから頭いい人は怖いんだ。」

なんて笑っている美咲も、成績はいい方で。
そんなに私と変わらないはずなんだけどなぁ。

『でも今回から怜央に勉強教えなくていいから、自分の勉強時間ちゃんと取れそうなんだよね。』
美咲「1個上の先輩に勉強教えられるって、A本当にどんだけ頭いいの……。」
『いやいや笑
怜央は基礎の基礎でつまづいてるから、教えるのは案外簡単だよ?』

昔から怜央は勉強が苦手なようで。
お仕事でたまに学校に来れない時もあるみたいだから多少は仕方ないんだろうけど、それにしても……。

テスト前になる度に私が教えていたおかげか、毎回赤点スレスレではあったけどちゃんと点数はとっていたみたいだけどね。


アイスを食べ終わっても話したいことは尽きなくて、そのまま美咲とずっと喋っていたら。


ヴー ヴー


美咲「A、電話なってるよ?」
『本当だ。ちょっとごめんね。』

掛けてきた相手は、母親で。
嫌だな、電話出たくないな。
でも、出ないと後々もっと面倒くさいことはわかってるから渋々通話を繋ぐと、


「どこいるの!早く帰ってきなさい!!」


なんて怒鳴り声がして、私に何一つ言わせる隙も与えずに通話が切れた。

美咲「……相変わらずだね、Aのお母さん。」
『……うん。
ごめんね、私帰らないと。』
美咲「うん。引き止めちゃってごめんね。
また明日。」

……嫌だな。
家、帰りたくないなぁ。

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作者名:綺羅 | 作成日時:2017年6月1日 23時

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