狼少女はお嫌いですか？ (ページ17)

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Myuto side

今日はオフだけど、バンドの練習のためにLove-tuneみんなでスタジオに来ていた。
Love-tuneができるまでは、スタジオ借りてベースの練習するようになるとは思ってなかったな。

安井「よし！じゃあ１回休憩しよー。」

やっすーの言葉を合図に、みんな楽器を置いて水分補給したりスタジオの外に出たりし始めた。
俺もベースをスタンドに置いて、水を飲む。
意外と一気に飲んでしまって、あ、俺喉乾いてたんだなってようやく自覚した。

長妻「俺コンビニ行ってきます！」
森田「あ、がっちゃん、ついでに俺の分の水も買ってきてくれない？」
長妻「いいっすよー！」

そう言ってスタジオを出たがっちゃんを見送りながら、飲み終わったペットボトルを捨てた。

萩谷「そういえば美勇人さ、この前……なんだっけ、Aちゃん？と勝手に連絡取ってたけどあれって結局どうなったの？」
森田「あー、そんなことやったね笑
結局も何も、やっすーにめっちゃ謝って、ご飯１回奢って許してもらっただけだよ。」

萩ちゃんに言われて、そういえばそんなこともあったなって思い出した。
やっすー、俺が奢るって言った瞬間許してくれたなぁ笑
さすがにあの後、スマホのパスワードは変えたみたいだけど。

森田「あ、そういえば。
この前そのAちゃんと会って、連絡先も交換したんだよね。」
萩谷「そうなんだ。会う約束してたの？」
森田「いや、やっすーと一緒に帰ってる時にたまたま会っただけ。
塾帰りだったらしいよ。」
萩谷「へー。」

病院連れて行って、タクシーで家まで送ったっけ。
あの時のやっすー、Aちゃんのお母さんにめっちゃ謝ってたな。
優しそうなお母さんだったけど、Aちゃんは怖がっていたから本当は怖いのかな、なんて感じたことを思い出す。

多分、これは俺の勘なんだけど。
やっすーはAちゃんのこと好きな気がする。

あの日に感じたんだよね。やっすーがAちゃんを見る目が、すごく優しいこと。
俺はやっすーと長く一緒にいるけど、あんな顔したやっすーは初めて見た。
……きっと、本人はまだ気づいてないんだろうけど。

いつか、やっすーの口から俺に打ち明けてくれたら、協力してあげよっかな。