step12 ページ12
Your side
『本当に助かった。ありがとう！』
長妻「いや、俺も楽しかったし。
Aも、優勝おめでとう！」
怜央の助けを借りて無事障害物競走を１位でゴールした私。
あの後騎馬戦や選抜リレーのような団体種目もいい結果を残し、私達３年Ｂ組は体育祭の優勝を勝ち取った。
とは言っても実は他のクラスと超僅差で、障害物競走で私が１位じゃなかったら負けていた。
だから私はこんなに怜央に「ありがとう」と言っているのに、怜央には伝わってないらしい。
美咲「Aも、お疲れ様！」
『あぁ、美咲。
何言ってんの、美咲が１番頑張ってたでしょ！笑』
なんと言ったって、体育祭実行委員だもんね。
そう続けると、美咲は照れたように笑っていた。
美咲「はいはい、ありがと笑
Aは家近いよね？打ち上げ７時からだから、１回帰って着替えておいでよ。」
そうだ。今日は終わったら、クラス全員で打ち上げがあるんだ。
でもグラウンドの後片付けは優勝クラスで行うことになっているから、見渡す限りまだまだみんな後片付けをしていて。
『えっ、いいよ！まだ後片付け残ってるでしょ？』
美咲「いや、Aには準備の時にいっぱい手伝ってもらったから。
長妻先輩と帰りな！」
美咲にそう言われて、そっと怜央の方を振り返ってみると、
長妻「じゃあA、帰ろっか！」
満面の笑みでそう言われてしまって。
これは……断れないなぁ……。
『……うん、そうだね。
じゃあ美咲、また後で。』
美咲「うん！長妻先輩と仲良くねー！」
……何言ってんだあの子笑
長妻「それにしても、優勝できてよかったね！
３年生の体育祭って特別だよね！」
『うん、だからありがとう。』
長妻「え？何で？？」
帰り道もやっぱりこの通りで。
……本当にバカなのかな、この子は。
長妻「あ、そういえばさ！
俺を連れていった借り物のお題、何だったの？」
あぁ、そういえば怜央には言ってなかったんだっけ？
『家族だよ。』
長妻「えっ……？」
『お題は、「家族」。
今日私の親来てなかったし、怜央とはずっと一緒にいて最早家族みたいなもんだし、いいかなって。』
実際、実行委員の人もOKしてくれたし。
長妻「あ、そうなんだ……。」
『何照れてんの笑』
長妻「いや、だって予想外すぎて……。」
そっか、家族かぁ、なんて楽しそうな怜央。
何でだろ……？
……すごく満足そうだから、まあいっか。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 129人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：綺羅 | 作成日時：2017年6月1日 23時
