第6話-霜月家長女の憂鬱- ページ22
Aside
「はぁ…」
リンタロウと買い物に出かけてからはや数日。
私はとある街中のレストランのテーブル席に座り、疲弊したため息をもらした。
「あれ、今日はすごい疲れてるねー…なにかあったの〜？」
「最近コウさんが冷たいんです…何でだろ…」
リンタロウと一緒に帰ってきて、コウさんの様子が変だと気付くのにそう時間はいらなかった。
同じ室内にいても目が合うことも無く、むしろ向こうは私を避けているんじゃないかとすら思う。と言うか絶対避けてる。
首を傾げても一向に思い当たる箇所もない。
既に数日が経ち、私はとうとうある人に相談してみることにしたのだ。
私の友人にして、警察の方。
私と彼とはだいぶ長い付き合いだ。何せ彼が警察になった時くらいから会っている。
「コウ…あぁ、新村コウか」
彼はしばらく考えて、その名前を思い出したようだ。
私と同じく、“事故に巻き込まれた” 被害者。目の前の彼はその事件の担当をした。当然覚えているだろう。
狼ゲーム。
本当は、とある姉弟の復讐劇。だが、それを隠蔽し“事故”として片付ける事が出来たのは彼とは親しい仲だった事が大きい。
「え、なになにAちゃん、まさかコウくんの事好きなの？」
「…」
「目逸らしちゃって、可愛いなぁ♪」
「セクハラですよ、警部」
「うっ」
ふふっと笑う、帽子を被ったオシャレ警部……神崎ソウシロウさんにピシャリと言い放ったのは、特徴的な紅白の長髪をした、ソウシロウさんの部下である一条ツバキちゃんだ。
私とソウシロウさんが出会ったのは、約6年前くらいの事だった。
昔あった、私の両親が亡くなったあの事件以来、何かと気にかけ私に会いに来てくれた親切な年配刑事さんがいた。
ソウシロウさんはその元部下で、刑事さん引退後も、今となってはこうしてちょくちょく会ってはたわいもない世間話などに花を咲かせる仲である。
今こそツバキちゃんという頼もしい部下まで引き連れた立派な警部だが、最初出会った時の初々しさはまだ覚えている。
「私、何したんだろう…」
「うーん…何だろうねぇ、ツバキちゃん」
「私を見ないでください警部…私が分かる訳ないでしょう」
うーん、と皆が唸る中、ふとソウシロウさんがクスリと笑いを浮かべた。
「ソウシロウさん？」
「いやぁ、Aちゃんが恋愛相談か、って思ってね」
ソウシロウさんは笑みを浮かべたまま深く帽子を被る。
帽子で隠れたソウシロウさんの表情は分からなかった。
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麗紅花(プロフ) - 此処まで読んできましたが……不幸な終わり方ではなく、正しい道を貫く事を選んでからの幸福になるエンドで良かったです！（←語彙力がオカシイ……）。しかも、番外編的な続編もあって良いと思いました。「是非とも続きを！」と思いました。機会があれば、お願いします (2022年12月13日 16時) (
レス) @page23 id: ba1809d3dd (このIDを非表示/違反報告)
黒我 - 今更なんですが……とても面白かったです！！もし続きがあるのであれば楽しみにしております！！ (2021年11月12日 21時) (レス) @page23 id: 4b03b5f44e (このIDを非表示/違反報告)
アヤノ(プロフ) - 海月猫さん» ありがとうございます^ ^頑張ります！ (2019年6月19日 0時) (レス) id: a5f5162e93 (このIDを非表示/違反報告)
海月猫(プロフ) - 面白かったです！これからも頑張ってください！ (2019年6月18日 0時) (レス) id: db1e8d80c6 (このIDを非表示/違反報告)
桜音 - 下に書かれている方が居ますが、オリジナルフラグはちゃんと外しましょう。スタジオわさびさんに失礼ですよ。 (2019年1月17日 14時) (レス) id: 257d7b43bb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：アヤノ x他2人 | 作成日時：2018年6月22日 12時
