【番外編】(注意: ep.final ネタバレ) ページ18
「……ねぇ、」
それは、8月3日、ある日の事だった。
リンタロウはソファに座ったまま、身動きができないままでいた。
「ちょっと、さぁ」
理由はたったの1つ。
「…離れてくれない？皆」
何故か、皆がリンタロウに抱きついたまま、離れてくれないからだった。
【番外編】
違う世界線の君へ。
・・・
「怖い夢を見たんだよ…！！」
事の始まりは、その日の朝。
Aにしては珍しく取り乱し、目にうっすらと涙さえ浮かべる彼女がリビングへと突入してきたのだ。
普段ならば、ユキナリが慌て、コウとミサキが慰め、リンタロウがどつく。きっとそんな感じになった筈だ。
だが、そうはならなかった。
「ね、姉さん…」
「え、ゆ、ユキ、何で泣いて…？」
「…Aもか…」
「へ？？」
「これ、まさか正夢…は流石にないよね…？」
「えっ、な、何の話…！？」
未だ起床していないリンタロウを除き、他の皆はまるでお通夜の様な静けさを纏いながらリビングに集まっていた。
明らかにおかしい、場の空気。
何があったのか理解できず疑問符を浮かべる彼女に説明したのは、比較的冷静なコウだった。
「Aが見た夢は、リンタロウが死ぬ夢だったか？」
「へ！？」
コウの問いに、彼女は驚きのあまり声をあげる。
「な、んで、知ってるの…！？」
自分の夢の内容を当てられ、驚かない人などいない。普段は冷静で動揺を見せない彼女ですら、目を見開き口を震わせた。
もちろん、コウは能力者ではない。
「…俺を含め、この場にいる全員が、同じ夢を見たからだ」
全員が同じ夢を見た。
その夢では、ミサキは狼ゲームのデスマッチの際ユキナリを庇って死に、1人きりになってしまったリンタロウは姉の意思を継ぐべく、世間へ狼ゲームの、自分の全てを打ち明けようとした。
そんなリンタロウに、警察に追われながらも力になろうと奮起する私にユキ、そしてコウ。
1年以上の時をかけて再会した私達は、“最後の狼ゲーム”を開催した。
そして、そこでリンタロウを失った。
最後の狼ゲーム。
それは、
夢は、そこで覚める。
「夢にしてはあまりにも細かく覚えているし…どうしてあんな夢を見たんだろう…」
「さぁな…だが、現実味が無い訳でもなかった」
コウが苦しげに呟く。
「何か選択を間違えれば、同じ未来を辿っていたかもしれない」
そしてそれは、全員の心の代弁でもあった。
.→←You remind me of a special emotion.
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麗紅花(プロフ) - 此処まで読んできましたが……不幸な終わり方ではなく、正しい道を貫く事を選んでからの幸福になるエンドで良かったです！（←語彙力がオカシイ……）。しかも、番外編的な続編もあって良いと思いました。「是非とも続きを！」と思いました。機会があれば、お願いします (2022年12月13日 16時) (
レス) @page23 id: ba1809d3dd (このIDを非表示/違反報告)
黒我 - 今更なんですが……とても面白かったです！！もし続きがあるのであれば楽しみにしております！！ (2021年11月12日 21時) (レス) @page23 id: 4b03b5f44e (このIDを非表示/違反報告)
アヤノ(プロフ) - 海月猫さん» ありがとうございます^ ^頑張ります！ (2019年6月19日 0時) (レス) id: a5f5162e93 (このIDを非表示/違反報告)
海月猫(プロフ) - 面白かったです！これからも頑張ってください！ (2019年6月18日 0時) (レス) id: db1e8d80c6 (このIDを非表示/違反報告)
桜音 - 下に書かれている方が居ますが、オリジナルフラグはちゃんと外しましょう。スタジオわさびさんに失礼ですよ。 (2019年1月17日 14時) (レス) id: 257d7b43bb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：アヤノ x他2人 | 作成日時：2018年6月22日 12時
