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「まじ!?」
始めに驚きの声をあげたのはリツちゃんだった。
「それは、本当?」
「私がこの場でこんな嘘をつく意味があると思う?」
マキさんにそう問い返すと、マキさんは納得したように黙り込んだ。
私の話をユキが受け継いで説明する。
「夜中に、俺が1人だった時に狼に遭遇しちゃったんだ…。
狼は仮面とフードを被っていて、誰かは分からなかったんだけど」
「まじかよ…。使えねー」
「す、すまない…」
ユキは素直にリツちゃんに謝ったが、私は苛立ちを感じてしまう。
「リツちゃんは命が危ない時に落ち着いて相手を観察できるの?」
「え…そ、それは…」
途端に口ごもるリツちゃんに、私は大きく息を吐いた。
こんなところで八つ当たりしても仕方がない。
「とにかく、私は狼がたった1人の弟を襲ったことが許せないし、そこで狼を追い詰められなかった私が腹立たしい。
だから何としても、この場で狼を見つけたいの」
もちろん脱出したいというのもある。
だけど、私の命よりも、他の大切な何よりもユキのことが大切なんだ。
あの日から、私は。ずっと。
「…ユキ、タクヤさんのスマホを出してくれない?」
「あ…うん」
ユキがスマホを皆に見せると、再び皆が驚きの声をあげた。
「これは狼が写った写真!?」
「タクヤさんのスマホと言ったな。まさか、タクヤさんは殴られた後に撮影したのか?」
「多分、そうだと思う」
コウの問いにユキも私も頷く。
「この狼が付けてる仮面って、リビングにあるお面でしょうか?」
「うん。それも姉さんと一緒に調べたんだけど、お面の内側に血がついてたよ。
間違いなく、狼が使用したんだと思う…。そこでなんだけど…」
ふと、ユキの視線がタケオさんに向いた気がした。
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アヤノ(プロフ) - 鈴錬さん» ありがとうございますー!これから頑張ります^_^ (2018年5月27日 20時) (レス) id: 090e21dff8 (このIDを非表示/違反報告)
鈴錬 - 続編がッ…楽しみすぎるッ…!! (2018年5月27日 19時) (レス) id: 28c60ad67a (このIDを非表示/違反報告)
アヤノ(プロフ) - さくらさん» ありがとうございます!!これからも頑張っていきます…!!(≧∀≦) (2018年5月26日 18時) (レス) id: 6c09e3d638 (このIDを非表示/違反報告)
さくら - アヤノさん>>ありがとうございます!!今回もとても凄かったです!!続き楽しみにしてます! (2018年5月26日 18時) (レス) id: 3a8da8a787 (このIDを非表示/違反報告)
アヤノ(プロフ) - さくらさん» コメありがとうです!これからちょくちょく絡ませていきます…!! (2018年5月25日 7時) (レス) id: 6c09e3d638 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:アヤノ x他1人 | 作成日時:2018年5月14日 21時