. ページ17
コウside
皆がそれぞれ探索している間、俺も教室で探索をしていた。
ミホさんの胸部は血で赤く汚れていた。何らかの凶器を使ったのは明らかだ。
「机の足も使えそうだが…折れているものは1つもないな」
無造作に置かれている机だが、固定されていて机ごと持っていくのは難しい。それに何より、大きい凶器は目立ってしまうだろう。
一体、どうやって___
…ふと、何かの気配を感じて俺は顔を上げた。
「誰だ？」
それは、教室の入り口からだった。
「あ、ごめんね、邪魔しちゃったかな」
そう言って苦笑しつつ教室へ入ってきたヤツ。
霜月A。
ユキナリと言う青年の姉で、明るく活発なのが印象的。
だが俺は彼女に対して好印象を抱けなかった。そもそもこんな状況で笑っていられるヤツは信用できない。
「…何の用だ？」
「いや、たまたま前を通りかかったらコウ君が真剣な顔で考察してたから」
「それが何だと言うんだ」
向こうもこちらが良い印象を抱いていない事に何となく気付いているのだろう。
彼女は困ったように笑いながら答える。
「休憩がてら、ちょっと眺めてただけだよ。気に障ったらごめんね」
「ふん…。お前の大好きな弟はどうした？
今頃寂しくて泣いてるんじゃないか？」
「え、何それかわいい」
挑発するつもりでついた悪態は、どうやら逆効果だったようだ…。
とんだブラコンだ。言い返す気力もない。
「姉さんー？」
「あ、ユキが呼んでる。じゃあもう行くね」
「あぁ、さっさと行ってくれ」
追い払うように言い、俺はため息を吐いた。
…疲れた。
……俺はまだ、本当のコイツに気付かない。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 161人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
アヤノ(プロフ) - 鈴錬さん» ありがとうございますー！これから頑張ります^_^ (2018年5月27日 20時) (
レス) id: 090e21dff8 (このIDを非表示/違反報告)
鈴錬 - 続編がッ…楽しみすぎるッ…！！ (2018年5月27日 19時) (レス) id: 28c60ad67a (このIDを非表示/違反報告)
アヤノ(プロフ) - さくらさん» ありがとうございます！！これからも頑張っていきます…！！(≧∀≦) (2018年5月26日 18時) (レス) id: 6c09e3d638 (このIDを非表示/違反報告)
さくら - アヤノさん>>ありがとうございます！！今回もとても凄かったです！！続き楽しみにしてます！ (2018年5月26日 18時) (レス) id: 3a8da8a787 (このIDを非表示/違反報告)
アヤノ(プロフ) - さくらさん» コメありがとうです！これからちょくちょく絡ませていきます…！！ (2018年5月25日 7時) (レス) id: 6c09e3d638 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：アヤノ x他1人 | 作成日時：2018年5月14日 21時
