青のSP 〜愛を求めた少女〜 2

9話 9 ページ20

三枝side

三枝「浅村先生！」

浅村「あ、おふたりともお疲れ様です。もう大丈夫なんですか？」

三枝「とりあえずは終わりました。詳しくは後ほど」

嶋田「亜蓮Aは？」

浅村「処置は終わりましたが、まだ目を覚ましていません。」

浅村先生がカーテンを開けると、そこには痛々しい傷や痣が見えるがスヤスヤと眠っているAちゃんがいた。

三枝「そうですか、、あの、彼女について色々わかった事があるので少しよろしいですか？」

浅村「はい」

カーテンを閉め直して、病院側にお願いして開けてもらった部屋で浅村先生に説明することになった。


嶋田「亜蓮A。元々はシングルマザーで育つも、虐 待、ネグレクトを受けていて6歳の頃に保護された。どうやらアイツの口にしてた“疫病神”とは母親が亜蓮Aをそう呼んでいたようだ。

そして、その後児童養護施設に引き取られるも1度傷害事件を起こしている。この事について三枝に調べてもらった」

三枝「はい。まずその事件は施設の子供同士のトラブルにより、1人の少女が施設の大人を切りつけた。というものでした。この少女の名前が桐生A。亜蓮Aちゃんの旧姓です」

浅村「え、？あの子が？」

三枝「ですが、これは事実と全く異なりました。本当は、大人同士の揉め事が加速してしまい、片方が近くにあった子供用ナイフで切りつけてしまったという事件でした。

焦った加害者はそのナイフの指紋を拭いてと知らぬ存ぜぬを突き通しました。ですが、その現場に戻ってきたAちゃんは何故か血の着いているナイフを拾い上げてしまったんです。

そこへ子供達が帰ってきて、「Aちゃんが先生をころした」と証言したようです。その証言によってAちゃんはとりあえず隔離されてます。

そして、半月ほどで無事意識が戻った被害者の方の証言により彼女の無実が証明されて犯人が逮捕されています。」

嶋田「当時の施設の人に話を聞いてきた。その頃の亜蓮Aは、完全に心を閉ざして部屋へ引き込もりになったそうだ。

そんな彼女に手を差し伸べたのが、実父だった。何回も亜蓮Aの元へ訪れて、彼女はそんな父親に心を開いて引き取られて言ったと供述していた。」

浅村「でも、なんでこんなことに、、」

三枝「そもそも、彼の暴力的なところは昔からのもののようです。それで何回も結婚と離婚を繰り返しています。」

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