私とオッパ ページ2
CY「A〜！」
一人寂しく教室に向かってトボトボと歩いていると、遠くの方からパァーと周りが明るくなるような笑顔で走ってくる大型犬……じゃなくてオッパ。
CY「A、早いじゃん？今日授業午後からじゃないっけ？」
「ニョリオッパ〜。」
人懐こい笑顔で私の元に来たオッパに、泣きそうな声を出すとオッパはゲっ！て感じで顔を歪ませた。
CY「もしかして……また？」
「振られた……今日１カ月の記念日だったのに。」
拗ねるように口を突き出す私に、オッパは頭を抱えて溜息をついた。
CY「とりあえず、座る？」
同情の目で私を見るオッパに促され、私達は中庭のベンチに座る。
CY「大学入って何回目？」
「うーん……6回？」
大学2年の寒い冬。オッパの哀れんだ目を見るのも慣れてきた。
高校を卒業するまで彼氏も出来ず、全然モテなかった私。
大学入学してすぐ、そんな私にも彼氏が出来た。
相手は同じ学科の同級生。
初めての彼氏に心を弾ませるも、さっきと同じ理由で3週間も持たずに振られた。
それからというもの2年で6回。
モテない私がせっかく手に入れた幸せは泡のように消えていった。
CY「俺が知ってる限りじゃ、もっとたくさんの機会を逃してるけどね。」
「え？なに？」
ボソボソっと喋るニョリオッパの言葉が聞き取れなくて聞き返すと、苦笑いをしながら首を横に振られた。
「私、このままじゃ一生結婚出来ない。どうしようオッパ。」
落ち込み項垂れる私の頭をオッパはポンポンと撫でる。
「ねぇ、一体何をやってるか知ってる？」
絶対裏で動いてるあいつの行動をオッパなら知ってる気がした。
CY「さぁ、俺が知ってるのはあいつがAの事を昔から大好きだって事だけかな？」
「そんなの私も知ってるし。」
この会話も何度目だろう。
私が振られるといつもの話を聞いてくれるオッパ。
子供の頃から私達と一緒に育ったニョリオッパは世間的にいう幼馴染みっていうやつだけど。
私達には本当のお兄ちゃんというかメンターというか……。
いつも相談役のオッパは私達より私達の事を知ってると思う。
CY「まぁ、いつかはAにも運命の人ってヤツが現れるよ。」
「運命……かぁ。」
彼氏が出来ないと小さな事で日頃悩む私には、"運命"というのがなんだか壮大な言葉に聞こえた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1400人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
なち(プロフ) - ゆちょさん» わぁ^ ^嬉しいです！ありがとうございます！！ (2016年1月31日 21時) (
レス) id: c4c4776476 (このIDを非表示/違反報告)
ゆちょ(プロフ) - レイペンにしたら神小説…もうニヤニヤニヤニヤ幸せっす（笑）ありがとうございます涙 (2016年1月30日 16時) (レス) id: db7bf1d769 (このIDを非表示/違反報告)
なち(プロフ) - いとさん» コメントありがとうございます^ ^わぁ、いつも読んでくださってるんですか？ありがとうございます！嬉しいです！呼びかけまで(笑)ありがとうございます！読者様のコメントでなちのやる気スイッチ入ります！笑最後までお楽しみ^ ^ (2015年1月29日 0時) (レス) id: c4c4776476 (このIDを非表示/違反報告)
なち(プロフ) - まおさん» コメントありがとうございます^ ^イシンさん気になりますよね笑楽しみにしてください！最後までお付き合いよろしくお願いします！ (2015年1月29日 0時) (レス) id: c4c4776476 (このIDを非表示/違反報告)
いと - いつも楽しく読ませて頂いてます！なちさんの作品大好きで、今回の新作も更新がとても待ち遠しいです！そこで、作者さんのテンションあげるためにみなさんもっとコメントしましょう♪ (2015年1月29日 0時) (レス) id: 5cbcbc373e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：なち
| 作者ホームページ：http://twitter.com/nachi_nachi_exo
作成日時：2015年1月14日 0時
