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兄さん
「『唾棄』
軽蔑や嫌悪の意思を持てば使える力
あの時は無理矢理生み出した嫌悪で、アヤのこと押し返した
カウンターみたいな、傷付けることも出来る力」
大雑把な説明にしてしまうと、嫌なものは嫌だと跳ね返す様な…そんな力らしい
きっとミズチが体当たりしていた透明な壁もこれ
まるで子供みたいだろうと兄さんは笑うけれど、もし嫌だと突き返すことができなかったせいで掴んだ力なら…
なんだか、悲しくも…
彼に必要だった力なんだろうなと感じてしまう
兄さん
「子供なんや、ずっと」
「…兄さん？」
兄さん
「なんでもないから、そんな心配そうな顔せんくてええよ」
わしゃ、と両手で頭を撫でられる
本当に犬になった気分だ
チョーカーが付いてるから余計にかもしれないけれど
暖かいし月明かりのみの暗い部屋は…夜の睡魔を誘い込む
兄さん
「コネシマんとこ謝りに行くなら…これからもう少し頑張れ」
優しく撫でられて、睡魔に抗えなくなっていく
瞼が重くて逆らえない
けど、ミズチを迎えに行かなきゃ…
トントンとエーミールさんにお話ししなきゃ…
兄さん
「ええよ寝て…
ここ数日ハイスピードで疲れとるやろ…ゆっくり休みながらでええ
半年、半年以内ならそれでええから」
「………ん」
兄さん
「おやすみ」
＿＿＿＿＿
＿＿＿＿＿＿＿＿
兄さん
「で、なんのつもりや」
ガンッと近くにあった椅子を蹴る
さっきから邪魔
兄さん
「なぁ鬱」
鬱
「んんん…兄さん、蹴らんといてよ」
兄さん
「人の部屋で何してんねん」
椅子は忽ち人の形となる
気怠げな表情は、アヤを見て緩やかに笑顔を浮かべる
鬱
「兄さん、僕ね…アヤちゃんのこと好きやで結構
今すぐにでも許可出してしまいたいくらいには」
兄さん
「あかんわけやないし、ええやろ」
鬱は首を振った
鬱
「何あげればええんかなって考えたら怖くて怖くて堪らんの
僕兄さんみたいに首輪なんて渡せへん"たいっ痛い痛い痛い！！」
兄さん
「チョーカー」
鬱
「わん…」
兄さん
「お前をまず犬にしてやろうか」
鬱
「ごめんちゃい…」
鬱は縮こまる
けど、その目がアヤを映す時…限りなく優しくなる
それはそれは、恐ろしいほどに
兄さん
「傷つけたらあかんぞ」
鬱
「……うん」
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シロ(プロフ) - とても面白かったです！続きも楽しみにしてます！！！ (2021年10月16日 22時) (
レス) @page50 id: a4ad6ae738 (このIDを非表示/違反報告)
あき(プロフ) - 素敵な作品ありがとうございます！！！！！更新まってます！ (2021年10月16日 15時) (レス) @page50 id: b410cfc145 (このIDを非表示/違反報告)
レイ(プロフ) - 白瀬妖さん» はい！頑張ってください！ (2021年10月11日 19時) (レス) id: dbadc04c4b (このIDを非表示/違反報告)
白瀬妖(プロフ) - mottsarerachizuさん» 楽しんで頂けているのでしたら幸いです。この調子で続けさせていただきます。ご協力ありがとうございます。 (2021年10月11日 18時) (レス) id: 33f684726d (このIDを非表示/違反報告)
白瀬妖(プロフ) - 桜華さん» 改善ページに追加で記載させていただきました。ご協力の方ありがとうございます。 (2021年10月11日 18時) (レス) @page36 id: 33f684726d (このIDを非表示/違反報告)
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