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「…チーノ、落ち着いてお話しよう」
チーノ
「話、聞いてくれんの？ほんまに？」
聞きに来たのだから、そりゃ聞くのだが…
チーノは立ち上がって目の前に詰め寄ってくる
そのまま、目の前で顔を顰めた
チーノ
「…ごめんなさい、ごめ…」
「いいよ、ゆっくりお話しして」
チーノ
「ちゃう、もう終わったことなんや……」
ふぅ、と深呼吸を繰り返してチーノが落ち着いていく
同時にゆらゆらしていた影は、静かに消えていった
感情の起伏にはついていけないが、チーノが元気そうならいいかという考えに至る
チーノ
「ごめん、アヤ…」
「大丈夫」
チーノ
「おれ、おれな…冤罪被って……
毎日吹雪で凍えそうな場所に、薄着一枚裸足の状態で犬橇に乗せられ連れてかれて…置いていかれたんや」
「シベリア送りより酷いな」
チーノ
「…なんやそれ」
「寒い田舎の土地で鉄道敷いたり木を数えたり星数える仕事を家族と共々に与えてくれる国家からのお達し」
チーノ
「まぁ近しいとこあるなぁ」
けど、暮らすことも仕事もない
ただ吹雪で何も見えない場所に、嗅覚で走る犬橇で連れられる
勿論のこと彼に救いなんてなかった
チーノ
「だから『諦め』を知った」
ズズッ、と手の内から現れるオレンジの影にもならない揺らめきは…その力のようだった
チーノ
「同時に、俺に罪を着せて美味しい思いをした奴はおめでとうなんて言って…
生憎恨むよりも『悲嘆』を覚えた
さっき出てきてた影に触ったらアヤボロ泣きすると思う」
どういうことだ、と首を傾げると
触ってみるかと聞かれた
なんか嫌だ…
チーノ
「あ、やっぱ嫌？
それが正解やけど…まぁ言ってしまえばうつ病一歩手前くらいにするんよ」
悲しくて苦しくて辛い辛いと嘆く感情を増幅させたり取り除いたりするらしい
それであって、暴発したならまず間違いなく増幅させてしまうそうで…
「あぁ、危なかったんだ私」
チーノ
「結構」
チーノは静かに黒とオレンジの揺らめきを合わせて笑う
チーノ
「この『諦め』は、人のやる気とかを全部奪って…
更に『悲嘆』の力を使えば絶望に陥れてとかも出来る」
鬱にするならもってこいだ
なんてチーノは笑うが…
使い所はない気がする
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シロ(プロフ) - とても面白かったです！続きも楽しみにしてます！！！ (2021年10月16日 22時) (
レス) @page50 id: a4ad6ae738 (このIDを非表示/違反報告)
あき(プロフ) - 素敵な作品ありがとうございます！！！！！更新まってます！ (2021年10月16日 15時) (レス) @page50 id: b410cfc145 (このIDを非表示/違反報告)
レイ(プロフ) - 白瀬妖さん» はい！頑張ってください！ (2021年10月11日 19時) (レス) id: dbadc04c4b (このIDを非表示/違反報告)
白瀬妖(プロフ) - mottsarerachizuさん» 楽しんで頂けているのでしたら幸いです。この調子で続けさせていただきます。ご協力ありがとうございます。 (2021年10月11日 18時) (レス) id: 33f684726d (このIDを非表示/違反報告)
白瀬妖(プロフ) - 桜華さん» 改善ページに追加で記載させていただきました。ご協力の方ありがとうございます。 (2021年10月11日 18時) (レス) @page36 id: 33f684726d (このIDを非表示/違反報告)
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