新年 ab ページ33
｢ハッピーニューイヤー！明けましておめでとうございます！｣
家の前で私を待つ、黒いロングコートに身を包んだ彼に、勢いよく飛びつく。
｢ハッピーニューイヤーも明けましておめでとうも、同じ意味だよ｣
ケタケタと笑いながらツッコミを入れたのは、私の職場の上司兼、恋人のアブさんだ。
気にしない気にしないと、彼の腕を引っ張りながら、目的地の神社へと向かう。
｢私、今日が人生初の初詣なんです！｣
くるくると回って見せれば、危ないよ、と言って手をとる彼。
｢じゃあ、Aちゃんの初めては俺がもらったってことだね｣
｢ちょっと！変な言い方やめてくださいよ｣
わざと意味有りげな言い方をする彼の肩を、強めに叩く。
ごめんと繰り返し笑った顔を、少しだけ睨んでみては、私もつられて笑った。
｢あと三組…。
やっとですね、アブさん！｣
そう言って隣を見ると、そうだね、と言って手を取った彼。
｢願い事は、もう決めた？｣
彼はそう言って、私の顔を覗き込んだ。
｢願い事なんですから、内緒です｣
残念そうに声を上げる彼の手を引いて、少しずつ前に進む人混みに流されていく。
とうとう回ってきた順番に、二人で心を踊らせる。
｢二礼二拍手一礼だよ｣と耳打ちをした彼に小さく頷いて返す。
石段を登り、賽銭箱に賽銭を投げ入れる。
今年は少し、奮発してしまった。
二人同時に、手を叩く。
揃った音に込み上げそうになる笑いを必死にこらえ、目を瞑って願い事を唱える。
｢アブさんこそ、願い事は何にしたんですか？｣
帰り道、彼の車の助手席で、何となくそんなことを聞いてみる。
｢んー？俺はねぇ、“Aちゃんとこれからもずーっと一緒にいられますように”って｣
私の予想と反し、真面目な顔でそんなことを言い出す彼に、思わず顔が熱くなる。
｢Aちゃんは、どうしても教えてくれない？｣
疑問形のくせに、わかったような口振り。
否、どうせもう、わかっているのだろう。
｢絶対教えません！｣
貴方と同じことを願ったなんて、恥ずかしくて絶対に言えない。
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あるばか(プロフ) - 凛さん» ありがとうございます！！コメント貰って、にやにや止まりません((( 神様だなんてそんな、滅相もないです！！頑張ります！これからもよろしくお願いしますm(*_ _)m (2017年5月28日 16時) (
レス) id: 388bcc62ae (このIDを非表示/違反報告)
凛(プロフ) - いつもと違う感じのお話を書いていてもものすごく面白いお話を書いてくださるあるばかさん！！いつも読ませていただいいています！！！！これからも頑張ってください！！！！あるばかさん、神様です！！！！ (2017年5月28日 16時) (レス) id: d1dc2771a6 (このIDを非表示/違反報告)
あるばか(プロフ) - 奈菜氏(ナナシ)さん» ありがとうございます！頑張ります！リク喜んでー！(°ω° )/書かさせていただきます( 'ω')b (2017年2月19日 13時) (レス) id: 388bcc62ae (このIDを非表示/違反報告)
奈菜氏(ナナシ) - とってもおもしろいです！更新頑張ってください！リクエストいいですか？キヨさんの嫉妬みたいです！ (2017年2月19日 12時) (レス) id: f86cca3e36 (このIDを非表示/違反報告)
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