電話口の愛 ky ページ30
｢会いたいよ…｣
電話口から聞こえる、そんな泣きそうな声に、俺は思わず、えっ、と聞き返してしまった。
地元の北海道に残ったままの彼女と、ゲーム実況者としての活動幅を広げるべくして上京してきた俺。
確かに、仕事幅は広がったし、有名にだってなった。
けれど、それと比例するように、心にぽっかりと空いた穴は広がっていった。
俺達は元々素直に愛情表現ができるタイプではないし、寂しい、会いたいと思っているのが、俺だけだったらどうしようなんて思うと、なかなか連絡が出来ないでいた。
その上、多忙の為帰省もできず。
会えず話せずの日々が続いていた。
あいつだって、きっと大丈夫。上手くやっているさと自分に言い聞かせていた。
そんな時にかかってきた一本の電話。
液晶に表示された、愛しい彼女の名前に、すぐに電話を取った。
最初こそ、上手くやってる？とか、東京はどんな所だ、なんて他愛ない会話をしていた。
それが段々、久しぶりに喋った、最近会ってないねと、俺が話したかった方向へと話が進み、彼女がとうとう、冒頭の一言を発したというわけだ。
｢…なに、泣いてんの？｣
鼻を啜る音と、震える声から、彼女は恐らく泣いているだろう。
俺も釣られて泣きそうになるのを堪えた。
｢…泣いてない｣
彼女のそんな強がりが、可愛くて思わず｢ふふ｣と笑ってしまった。
｢はいはい。そうだな｣
｢…嘘。やっぱり寂しい｣
少し不貞腐れたようにそう言うから、｢どっちだよ｣とまた笑ってしまった。
｢じゃあ、会いに行くわ｣
そんな彼女が、可愛くて、愛おしくて。
顔が見たくなった。触れたくなった。
｢…いつ？｣
不安げにそう聞く彼女に、少しでも元気になってもらおうと、少しのサプライズをしてやった。
｢明日｣
｢明日！？｣
電話口で｢できるの！？｣と騒ぐ彼女の声を聞きながら、インターネットで、明日発北海道行飛行機の座席予約画面を開いた。
｢そんなことして、大丈夫なの？｣
多分、動画の事を言っているんだろう。
貯め撮りしていた動画を、投稿予約していけば問題ない。
｢いいの。
俺も、会いたかったから｣
そんな甘い言葉を吐いてやれば、彼女は照れ隠しに、咳払いを一つした。
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あるばか(プロフ) - 凛さん» ありがとうございます！！コメント貰って、にやにや止まりません((( 神様だなんてそんな、滅相もないです！！頑張ります！これからもよろしくお願いしますm(*_ _)m (2017年5月28日 16時) (
レス) id: 388bcc62ae (このIDを非表示/違反報告)
凛(プロフ) - いつもと違う感じのお話を書いていてもものすごく面白いお話を書いてくださるあるばかさん！！いつも読ませていただいいています！！！！これからも頑張ってください！！！！あるばかさん、神様です！！！！ (2017年5月28日 16時) (レス) id: d1dc2771a6 (このIDを非表示/違反報告)
あるばか(プロフ) - 奈菜氏(ナナシ)さん» ありがとうございます！頑張ります！リク喜んでー！(°ω° )/書かさせていただきます( 'ω')b (2017年2月19日 13時) (レス) id: 388bcc62ae (このIDを非表示/違反報告)
奈菜氏(ナナシ) - とってもおもしろいです！更新頑張ってください！リクエストいいですか？キヨさんの嫉妬みたいです！ (2017年2月19日 12時) (レス) id: f86cca3e36 (このIDを非表示/違反報告)
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