叶わぬ恋 ky ページ23
叶わない恋と言うのは、非常に辛い。
片思いの相手が自分の友人と付き合っているのは、もっと辛い。
｢ねえ、キヨ。フジとのノロケ話してもいーい？｣
それ故、こんなことを聞かれる度に、俺の心はズタズタに傷付くわけで。
そんな俺の心と正反対に、隣で酔っ払っている彼女は、にまにまと幸せそうに笑っている。
｢嫌に決まってんだろ。他でやれ、他で｣
堪らず、素っ気なく返してしまう。
｢えー、酷いじゃないですかキヨさんってばー｣
割と強めに俺の背中を叩いてくるAに、｢痛えよ｣と溜息を零す。
正直、そんな何気ないボディータッチにも、俺の心臓はばくばくと煩い。
｢何が楽しくて、ジーフーとお前のノロケ話なんて聞かなきゃならねぇんだ｣
俺と居るんだから、フジの事なんて考えるなよ。
俺のことだけ見てればいいじゃねえか。
そんなキザな台詞は、喉の奥に押し込んだ。
｢でもさ、なんだか最近すれ違ってる感じがするんだよねー｣
大きな溜め息をついたかと思えば、目の前の彼女は、ビールジョッキ片手にぽろぽろと涙を零していた。
｢なっ、おい！なんでいきなり泣いてんだよ！？｣
余りにも驚き、机に手をついて身を乗り出す。
個室の居酒屋でよかった。
｢フジと、喧嘩しちゃって…｣
優しすぎる程のあいつが、まさか彼女と喧嘩をするなんて思いもしなかった。
きっとこの涙も、酒の勢いで、今までずっと溜め込んできたのかと思うと、フジに少しの怒りと嫉妬心が湧く。
こんな可愛い彼女を一丁前に泣かせやがって。
なんて、どうしようもないくらいに馬鹿馬鹿しい嫉妬。
彼女の瞳から次々零れ落ちる涙を指ですくってやると、｢キヨぉ…｣と震えた声で俺の名を呼んだ。
やめろ、そんな期待させるようなこと。
歯止めが、効かなくなる。
｢俺にすればいいじゃん｣
涙が引っ込んだ、とでも言うように、それまで涙をぼろぼろと零していた彼女の瞳は、俺に視線を合わせ、大きく見開かれていた。
｢俺はAを泣かせねえ。
フジよりも優しくするし。幸せにする。
だから、あいつのことで泣くくらいなら、俺にしなって｣
“好き”の二文字を言えないのが、俺の弱いところだった。
彼女はといえば、俺の目を見つめたまま、固まっていた。
然し、すぐに悲しそうな表情を浮かべた。
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あるばか(プロフ) - 凛さん» ありがとうございます！！コメント貰って、にやにや止まりません((( 神様だなんてそんな、滅相もないです！！頑張ります！これからもよろしくお願いしますm(*_ _)m (2017年5月28日 16時) (
レス) id: 388bcc62ae (このIDを非表示/違反報告)
凛(プロフ) - いつもと違う感じのお話を書いていてもものすごく面白いお話を書いてくださるあるばかさん！！いつも読ませていただいいています！！！！これからも頑張ってください！！！！あるばかさん、神様です！！！！ (2017年5月28日 16時) (レス) id: d1dc2771a6 (このIDを非表示/違反報告)
あるばか(プロフ) - 奈菜氏(ナナシ)さん» ありがとうございます！頑張ります！リク喜んでー！(°ω° )/書かさせていただきます( 'ω')b (2017年2月19日 13時) (レス) id: 388bcc62ae (このIDを非表示/違反報告)
奈菜氏(ナナシ) - とってもおもしろいです！更新頑張ってください！リクエストいいですか？キヨさんの嫉妬みたいです！ (2017年2月19日 12時) (レス) id: f86cca3e36 (このIDを非表示/違反報告)
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