Urban Legends (ページ3)

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○ ページ3

「…願い？」

「さっき言ってたでしょ？『あんな上司居なくなっちゃえばいい』って」

　そういえば、そういうことを言ったかもしれない。無意識で言ってしまったんだけど、それを叶えてくれるって……本当にあいつがいなくなる？

「本当だったら…嬉しい、です、けど……」

僕は辞めさせられたから関係ないけど、社員全員があいつに振り回されていた。もし居なくなったらきっと皆も喜んでくれる。

「そっか。ちょっと待ってて。今、所長に連絡入れるから」

　そう言うと、目黒さんはスマホを操作してどこか……恐らくその『所長』とやら……に電話を掛け始めた。

「……出ないなあ。……あっ、もしもしお疲れ様です。……あの、依頼人を紹介したいんですけど。はい。わかりました、失礼します」

　電話を切ると、目黒さんはこっちを見て

「明後日の午後三時、ここに来て。そこで所長……深澤さんと待ってるから」

と、一枚の紙を渡してきた。そこには喫茶店の名前と住所があった。ためらいながら受け取る。それを眺めて顔をあげると、目黒さんは居なくなっていた。少しの不気味さを感じながら、僕は帰宅した。