四日目 ページ19
四日目は体罰教師。担当は松村さん。午後の十一時に何時もよりハードな力仕事を終えてFolkloreに着くと、普段は飲まないジュースを飲んでいた。準備は終わっているようで、彼は立ち上がり、外に出ると上を指さした。
「今回はラウールの部屋で研修するよ」
そう言って、喫茶店への階段の左隣のガラス戸の中に入った。階段を上がると三つ部屋があった。風呂トイレ付きの殺風景だけど住みやすそうな部屋だった。
「水道は通ってるから、シャワーでも浴びてて。タオルとか布団は持ってくるから」
「持ってこれるんですか！？」
「隣に住んでるからね。ちなみに階段に近い方の隣は康二くん。俺の上の部屋が舘さん。その隣がジェシー。もう一つは今のところ空き部屋」
「お隣さんなんですね！よろしくおねがいします！」
「よろしく」
それだけ言って出ていったのでシャワーを浴びて待つことにする。石鹸などは松村さんが貸してくれた。めっちゃいい匂い。深澤さんに報告してみると羨ましいぞわら。とだけ返ってきた。あまり貸してくれないのかな？何か特別扱いされてる気分。
持ってこいと言われた部屋着に着替えて戻ると、布団が二組敷かれていた。昨日の人が夢に出てくることは無かったけど、少し寝るのが怖い。素直に伝えると、かわいいと笑われた。ひどい。布団の上に向かい合って座ると、時間があるから質問タイムにしようか、と言われた。僕にはどうしても聞いておきたいことがあった。
「『アレ』って何なんですか？研修終わったら託すって言われたんですけど」
驚いたような表情になった。入社は早いと聞いていたから知っていると思っていたけど当たっていたみたい。
「所長が初めて出会った怪異で、今は封印されてる」
「そんな強いモノとか荷が重いです……」
「ことオカルトに関しては誰よりも詳しいから大丈夫だと思うよ。知ってるのはこれくらいだけど、他の人に聞けば詳しく判るんじゃない？」
「判りました。聞いてみます」
内容について聞いてみると、所長からネタバレ禁止と言われてると返って来た。都市伝説にネタバレとかあったのか。布団に入るとクタクタだったからか隣からのいい匂いのせいかすぐに眠りに落ちた。
ひんやりした感触に、慌てて身体を起こす。松村さんと目があった。見覚えのある空間と服装。窓の外に見える人々。ターゲット以外は恐怖を煽るためのダミーらしい。松村さんの声が響く。
「次は〜活けづくり〜活けづくりです。」
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作者名：カルカンサイト | 作成日時：2022年10月2日 2時
