Urban Legends (ページ18)

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三日目ページ18

三日目の依頼はＤＶ彼氏。担当はジェシーさん。あまり話したことないんだよな。夜の路地裏は静かでおどろおどろしい雰囲気に満ちていて、それだけで怖くなった。

「今日はよろしくおねがいします！」

「よろしく〜。それにしてもデカいな〜。俺や目黒よりデカい人初めて見た」

「えっと……ありがとうございます？」

「……やっぱりきょもに変わって貰ったほうが良かったかな」

「この前からずっと言ってますね、それ」

「俺のは他とは違うからな〜。一応康二と同じ失踪系ではあるけど……」

　他とは違うってどういうことなんだろう？やっぱり『触手』が関係あるのかな？でもそれだけで心理的ダメージの大きい京本さんを先にする理由にはならない気がするけど。そんなことを考えていると、強く手を引っ張られた。

「来た。隠れてて」

　通りの奥から男性が歩いてきた。どうやら電話を掛けているようで必ず返すから。という言葉が静かな路地裏に反響した。

「今は無理そうだから先回りするか〜。ラウール、手、握って」

　言われるがまま手を握る。男性が居なくなったのを見届けたジェシーさん。

「Teleportation!」

その瞬間、目の前の景色が変わった。人のいない住宅街はさっき以上に不気味で、気持ち悪い。瞬間移動が出来るのは確かに他とは違う。曲がり角から出て来た男性は電話をしていなかった。

「それじゃ、いきますか」

　男性が急に足を止めた。ジェシーさんが前に出る。……あれ？スーツなんて着てたっけ？それに背が高……い？

「だれ……？」

　そこにはジェシーさんは居なかった。いたのは、僕よりも背が高い痩せた男。それに手足が異様に長い。男性は悲鳴をあげて逃げていく。が、途中で蹲ってしまった。

「ひっ……。来るなっ……。くるなくるなくるなくるなくるなくるなくるなくるナクるナクルナクルナクルナクルナクルナァァァ！」

その瞬間、触手が男性を覆った。数秒後其処には一滴の血痕が有るだけだった。

　僕は男の顔を見た……見てしまった。そこには目も鼻も口も無かった。それを見た瞬間、僕は強い恐怖に襲われた。反射的に目を瞑る。

「ラウール大丈夫！？」

　恐る恐る目を開けると、心配そうな顔のジェシーさん。どうやら、目黒さんみたいに人を狂わせることが出来るらしい。確かにこれは他とは違うかも。

「大丈夫です」

　そうは言ったけどあの顔は多分夢に出る。これよりヤバいのがもっと居るとか僕これから正気保ってられるかな……。