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「なんでそんな縛りがあるんですか？」
「内容が内容だから。俺たち所謂始末屋なの。不審死体が大量に見つかったら怪しまれるかもしれないでしょ？」
「不審死ですか……。例えばどんな？」
「普通では有り得ないほどバラバラになってたりする。ちなみにこれを事故に偽装するのも俺の役目。気持ち悪くなってない？大丈夫？」
「僕は大丈夫です。偽装までするなんて大変なんですね」
「本当だよ！北斗とか大我、高地はたまに手伝ってくれるけど、それ以外は暴れるだけ暴れてそのまんまだし！そもそも北斗も大我も偽装いらないから！三人は他人の仕事の後始末やってくれてるって言うのにほんっとあいつら……！！」
目に見えてイライラしだした阿部さんを深澤さんが宥める。こういうふうに話しかけてくれる人は前の職場には居なかった。ここは他の人の心配ができる程度の余裕があるらしい。裏の仕事内容はアレだけど、十分ホワイト企業だ。やった。
「取り乱してごめん。で、ここからが大事なんだけど、依頼の中には誰かを殺して欲しいとか、そんなのも少なくない。そういった案件の際、俺たちは『あるもの』を使って依頼を遂行する」
「あるもの？」
「此処からは非科学的な話になるから、すぐには理解出来ないかも知れない。ここで働いている人のほとんどがすぐには理解出来なかった。もちろん俺も。まあ、一度依頼したならある程度判ってるかもね……。此処で問題です。『あるもの』とは一体何でしょうか？ヒントはさっきまでの俺の発言。そこからほんのちょっと考えればきっと正解出来るはず」
急にクイズをだされた。ヒントは出してくれた様なので、阿部さんの話を思い返す。えーと、非科学的で不審死を引き起こして、だけど目黒さんみたいに人を狂わせるだけの人もいる……。
「……超能力？」
「残念、惜しい。正解は心霊現象。所謂『都市伝説』って呼ばれるモノたち。でした〜。でも、何も知らない状態で此処まで近づけるなんて、どこぞの使えない所長よりも偉いよ」
「心霊現象……」
「あ〜。ホラーだめな感じ？大丈夫だよ。照やなべなんかはホラー苦手だけど使いこなせてるし。これは素質の問題だから。で、俺阿部ちゃんに何かしちゃった？」
「つまり、僕には皆さんの言っている『アレ』を使いこなせる素質が有るってことですか？」
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作者名：カルカンサイト | 作成日時：2022年10月2日 2時
