three years ago -9 ページ48
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天文台に着くと相葉さんは早速扉を開けて中へ入っていく。
ギギィとさび付いた音を立てて開く扉の向こうで、未だ動かない望遠鏡が鎮座していた。
「うーん、今年こそ直したいなぁ、このままだと俺嘘つきになっちゃうし。Aちゃんにまで嫌われたくないもんね」
自嘲気味に笑う相葉さんに心臓がズキンと痛む。
そんな顔しないでほしいのに、私は相葉さんの憂いを何も晴らしてあげられない。
もうずっと、私は相葉さんの力にはなれないままだ。
「直らなくたって嫌いになんかなりませんよ」
「あはは、ありがと。でもほら、これ持ってきたから一緒に見よう」
スイッチを押してドームを開いた相葉さんはガガガと音を立てて開いていく天井を背に持ってきた荷物を広げ始める。
中から出てきたのは一般サイズの天体望遠鏡だった。
「望遠鏡持ってきてたんですね」
「うん。仕事じゃなくて星見たかったから」
「私が一緒でいいんですか」
「Aちゃんと見たい気分だったんだよね」
なんかわかんないけど、と相葉さんが恥ずかしそうにはにかむ。
心臓が今度はドキンと跳ねて、私は相葉さんから視線を逸らす。
はにかんだ横顔を直視していられなかった。
まだドキドキしている心臓を落ち着かせるように冷たい空気を吸い込む私の横で相葉さんはどんどん望遠鏡を組み立てていく。
「ほら、出来た」
物の数分で組み立て終わった相葉さんは私に笑顔を向けるとすぐにレンズをのぞき込んでピントの調整をし始めた。
開いた天井のドームからは満天の星空が見えている。
周りに明かりがないからこそ見ることの出来る小さな光。
こうもたくさん光っていると星座が探しづらいのだと以前お父さんが言っていた。
「やっぱ綺麗だなぁ」
「そうですね」
相葉さんと落ち着いて星空を見上げるのはすごく久しぶりな気がする。
それこそ一番最初の年には相葉さんと二宮さんと一緒にこうやって空を見上げたけれど。
あくまで彼らは仕事で来ているから夜にこうやって一緒に見ることが出来る時間は意外となかったりする。
出来たとしても仕事をしているところにお邪魔するから二人きりにはなれない。
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iCHiKA(プロフ) - ともさん» ですよね〜。姿がわからないからこそ、みたいなところもありますので想像しながらモヤモヤしていただけたらと思います、笑 (2021年2月28日 22時) (
レス) id: ca4476f6fd (このIDを非表示/違反報告)
とも(プロフ) - 相葉ちゃんの奥さん…めちゃくちゃ気になる(￣▽￣;) (2021年2月22日 22時) (レス) id: bd0ebe94fc (このIDを非表示/違反報告)
iCHiKA(プロフ) - ともさん» ともさんいつもありがとうございます！ですよねー、私もそう思ってます。いずれ変化もやってくるので、そのときをぜひのんびりお待ちくださいませ。 (2021年2月15日 20時) (レス) id: ca4476f6fd (このIDを非表示/違反報告)
とも(プロフ) - あぁーもぉー相葉ちゃんを悲しませる様な彼女とは別れちゃえば良いのに！にのちゃんの言うように…相葉ちゃん振り回され過ぎ… (2021年2月13日 8時) (レス) id: bd0ebe94fc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：iCHiKA
| 作成日時：2020年12月25日 12時
